2009年 4月 30日 (木)

       

■ 〈北Gのライブトーク〉85 北島貞紀 Jポップの音域が示すもの

 僕の声は低音の部類に属する。音域はというと、今は上のC(ド)の音が上限である。

  昔々、フォークソングを歌っていたころでE(ミ)が何とか出ていた。昔々というのは、70年代前半のころのことであり、GS(ガソリンスタンドではない、グループサウンズである)が終わり、拓郎やかぐや姫が出てきたころだ。

  GSの曲は、僕の音域で歌うことができた。フォークでも、「戦争を知らない子供たち」くらいまではOKだった。大体これらの曲の最高音がE(ミ)なのだ。ところが、拓郎の曲は何とかごまかせても、松山千春や陽水はもう手が届かない、いや声が届かないのだった。はやばや歌手の道をあきらめたのだった。(笑い)

  プロの歌手は、持ち歌の最高音から1音ないし1音半上の音が出せないといけない。ギリギリの音域だと、コンデションによって出ない時もある。そのころ、矢沢永吉の本を読んでいたら「オクターブ上のA(ラ)まで出る」といっているのを見てぶっ飛んだが、今はそう驚くに値しない。陽水や徳永英明なんかはC(ド)まで届くのではないだろうか。

  これを曲作りの面から見てゆくと、明快に答えが出てくる。歌謡曲からGSまでは、プロの作曲家が作り、それ以降はいわゆるシンガー・ソングライターの時代に入るのだ。歌謡曲(GS)は、歌い手の個性を生かしながらも一般への普及、普遍性を狙っている。それに対してシンガー・ソングライターは、自分の声の特性を十分に生かす曲作りをしているのだ。

  最近のJポップは、総じて高いキーである。それは曲作りによるものというよりも、日本人の体型、骨格が変わってきたことによると思えるのだがどうだろう。


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