2009年 11月 8日 (日)

       

■ 盛岡市2000万円支援の岩山漆芸美術館行き詰まる 再開からわずか4カ月

     
  今月末で閉鎖する見通しとなった岩山漆芸美術館  
 
今月末で閉鎖する見通しとなった岩山漆芸美術館
 
  岩山漆芸美術館(盛岡市加賀野)の全龍福館長は7日、同館を今月末で閉館することを明らかにした。韓国トップスターの俳優で同館名誉館長に就任したペ・ヨンジュン氏側の事務所が「地域に歓迎されない事業に出資するべきでない」と出資中止を全館長に伝えたという。同時に過去の美術館運営による赤字が膨らみ、このため存続ができなくなった。9日に施設所有者の市と同館で話し合いが行われる予定。

  全館長によると、韓国ソウルにあるペ氏の事務所キー・イーストが先月26日に出資を控えることを伝えてきたという。事務所が設立を予定していた出資のための会社は結局設立されず、この間の出資も同館になかったという。出資中止の理由は、同館長によると、市議会や市民に「同館に否定的な者がいるため」としている。

  同館は04年5月に全館長を迎えてオープン。昨年11月にいったん閉鎖された。その後、今年8月1日にペ氏を名誉館長に迎えリニューアルして再開館したばかり。入場者数は10月までの3カ月間で7600人で8割が県外客だったという。

  再開に向けて全館長は自身を社長とする会社オリエンタル・トレジャー社を設立。市に対して施設使用料年間600万円余を支払うこととしていた。市に提出した収支など事業計画では、8月再開後の8カ月で2万4千人、収入は年間で4400万円を見込んでいた。

  市も支援のために再開前に国のふるさと雇用再生特別基金事業で従業員2人を採用。貸し手として建物の修繕費用として電気設備と消防設備合わせて1080万円を予算流用して手当て。7月には国の経済活性化経済危機対策臨時交付金でトイレ改修工事費900万円も手当てされた。

  全館長は取材に対し、9月に池田克典副市長へ存続が困難であることを伝えたと説明する。その後、ペ氏の事務所から出資見合わせの通告を受け、先月30日に坂田裕一ブランド推進課長へ施設閉鎖の考えを伝えたと話した。

  ふるさと雇用再生の交付金は1年以上の採用をうたっており、閉鎖によって交付額320万円を返還するとも説明した。8月から11月までの使用料も支払う意向。

  全館長は「市民に否定的な声があるならやるべきではないと事務所からの出資が中止された。今月末で美術館を閉鎖し、館長も辞め美術館経営は今後やらない。04年からの運営でできた赤字を自分の作品で返済に充ててもいいと思っている。しかしここで制作をやりたい。若手も育っている。市が美術館や工芸館などとして続ける考えなら制作する立場で協力したい」と話している。

  池田副市長は「館長からやめたいという話は担当へ電話であった。契約があるので、館長からどういう真意なのか理由を含めて市として話を聞く。向こうが美術館をやる気がないからといって、われわれがやることにはならない。工事は美術館のためではなく所有物の補修のため」などと話している。

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