2010年 4月 1日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉303 岩橋淳 Papa! パパー!

     
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  パリっ子の作者は、「ELLE」「marie claire」「VOGUE」など本場の錚々(そうそう)たるファッション誌で活躍するイラストレーター。さらに余技の域を超えた絵本製作、その作品は世界各国で翻訳され、ユーモラスな作風で好評を博しています。

  さて本作の表紙を見て、どんな状況を想像しますか?

  ベッドに仲良く並んだ男の子とナゾの生物。何かに驚いてあげた叫び声が、そのままタイトルになっているらしいことは、分かります。否、数秒後、これはお互いの姿におののいての絶叫であるということに考えが及んで、ページを繰ることになるのですが。

  暖かい寝床の中、とろとろとさまよいかけた眠りの縁、それを破ったのが、ただならぬ気配に凝らした目の先にいたUMA(未確認生物)。お互いに隣室のパパを呼び、折しもパーティーまっただ中の両親になだめられ、お互いに似たような「こわい夢をみない」マジナイを教わり、お互いになんとなく納得して再び眠りに、という展開。

  この場合、お互いがお互いを「かいじゅう」と認識しているのがミソ。どちらの側からみても、この(3〜7歳)年ごろは、どのみちかいじゅう、であるということなんです。

  さかのぼって、昼間のかれらの所業を見れば、かいじゅうと呼ばれるゆえんも判明しようかというところ。ですが、そこはそれぞれをよーっく知る被害者、いやさ両親であるみなさま方の読み方にゆだねることで、それぞれのおかしみを掘り起こす効果も得ているという訳です。

  【今週の絵本】『Papa!パパーッ!』P・コランタン/作、薫くみこ/訳、ポプラ社/刊、1260円(1995年)。

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