2010年 4月 8日 (木)

       

■ 「推進法」で770メートルの日本最長記録 盛岡市旧下水道部

     
  開削ではなく推進工法で最長記録に認定された下水管が埋設される盛岡市神子田町地内の市道の工事起点(南大橋側から撮影)  
 
開削ではなく推進工法で最長記録に認定された下水管が埋設される盛岡市神子田町地内の市道の工事起点
(南大橋側から撮影)
 
  盛岡市の旧下水道部は、同市神子田町地内にある既存の下水管廃止に伴う新設工事で、地面と並行に地中を削って下水管を送り込む工法「推進法」の到達距離が日本最長記録と認定された。狭あいで通行量の多い市道に規制をかけず、歩行の利便性や歴史的街並み景観など地域事情に配慮。数千万円単位のコストダウンも図った。

  起点は神子田町地内の国道4号南大橋東側の交差点北側、堤防道路と市道に分岐するY字路。終点は同市鉈屋町地内の大慈清水付近。市道に沿って管が通る延長約770bの区間。

  新設工事は起点と終点で縦に穴を掘り(立坑)、地面と並行に土砂を削って進み、下水管を送り込む。今回は内部の直径1・1bのコンクリート管を通した。先端が切羽状の先導体と呼ばれる機械が地中を削り、土砂を地上にはき出して進む。

  圧力をかけて土砂の崩落を予防し、抵抗を少なくする工夫で切羽の摩耗を防いだ。カッターが刃こぼれすれば途中で引き上げることになり、立坑を増やせば穴を掘るコストが生じる。地権者との用地補償も必要だ。

  工事は08、09年度の2カ年で昨年3月に先導体をセット。同11月に削る作業が終わった。作業ペースは1日平均で3〜4b程度。

  全延長にわたり地面を掘って管を埋めれば、通行規制が必要になる。大慈清水の水質や城下町風情の残る町屋の景観、神子田朝市など観光スポットも立地し、民家も近い。

  この工法でも河川に近いため直径が最大60aの玉石など砂れき層の地中を掘ることになり、切羽が途中で摩耗するリスクなど課題があった。区間にはカーブが8カ所もある。

  同部建設課(現上下水道局下水道整備課)は以前の事例から先導体の仕様を入念に検討。一発勝負で成功するよう周到に準備。今回の最長記録を樹立した。施工は市内の建設業2社の特定共同企業体。

  起点から南側30bを整備すれば、国道396号の管とつながる。5月の完成予定。

  全国の都市の下水は昭和30年代ごろまでに敷設されたものが多い。雨水と家庭の生活雑排水を一緒に流す合流方式で、大水などで不衛生な水が河川に流れる問題があった。

  国は法改正し、13年度までに合流式の改善を義務づけた。市内では今回を含めて全体の6割を改善。今後中津川上流部の上の橋方面の事業に着手する。地理的条件から推進法以外の工法も含めて事業を行う考え。

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