2010年 5月 8日 (土)

       

■ むらい昭治さんが自選展 50年の歩み120作品

     
  三陸海岸を描いた作品を背景に、むらい昭治さん  
 
三陸海岸を描いた作品を背景に、むらい昭治さん
 
  盛岡市中堤町のむらい昭治さん(74)が自選展「五十年の歩み」を13日まで、同市内丸の県民会館で開いている。第1と第2展示室に、100号サイズ50点を含む計120点が展示されている。岩手の自然を半世紀にわたって描き続けてきた、むらいさんの画家人生が見渡せる。

  「白黒作品」は、むらいさんの原点とも言える作品。船越保武氏からもらったという一本のカヤを用いて、ありのままの大自然を黒い線のみで描き出す。続々と視覚に飛び込んでくるものを、威勢の良い筆さばきで表現している。1967年作「唐丹湾」の家の屋根には、丸い石ころが不規則に並ぶ。「家の造りが合理的になった今では、もう見られない風景」とむらいさんは話す。

  1971年作「青い青い物語」は、海原とその先の山々、空が青と白で一続きに描かれている。楕円(だえん)形の気泡から海の呼吸が伝わる。曲線を基調とした動きは、穏やかな様子。一方で、1991年作「海よ」は力強い。「豪快で力強い荒波が岩に散る、生きている風景を表現したい」というほとばしる思いが、100号サイズが5枚続く縦130aと横810aの大作を生み出した。「今でも自然との対話が大切だと思っている」とむらいさん。

  1986年から現在にかけて描かれてきた「岩手の黒い山なみ」シリーズは、盛岡から見える岩手山とは全く別人の姿。八幡平や網張方向から見た岩手山は、激しく男性的で武骨だという。陰りが多く、山肌が鮮明に臨める方向から見える岩手山を、墨色で表現している。空や緑の色使いや筆遣いで、季節や天気の予想が立つ。

  「20年も岩手山の魅力に引かれて、なかなか卒業できないでいる。さまざまな近景に恵まれて飽きることはない。このシリーズ完成は、これから何年かかるのか見当がつかない」と話した。

  入場無料。展示時間は、午前11時から午後5時まで。

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