2010年 7月 29日 (木)

       

■ 医療機器関連産業を第3の柱に 「ものづくり」で県が本腰

 県内の医療機器関連産業をものづくり産業の第3の柱に育てようという取り組みが、今年度本格化した。同分野に関しては、いわて医療機器事業化研究会(企業60社、大学・行政等15団体)が昨年8月に設立しており、県は医療関係企業などの参画を得て09年度末に県医療機器関連産業創出戦略を策定。研究会が何を目標に何に取り組んでいくかを明確にした戦略に基づき、同分野の振興を図る。

  05年の薬事法改正は、医療機器製造の外部委託を可能にした。高い開発コストで高度な医療機器というイメージだが、部品一つから及ぶため、地方の企業が参入するハードルが低くなった。本県のみならず地元企業の産業を後押しする動きが出ている。世界的に高齢化が進展する中、医療機器産業は成長産業として位置付けられ、期待がかけられている。

  県内では岩手医大などがかかわった医療機器の研究開発が進められてきたが、本県の産学官連携のこれまでの実績、基盤を踏まえ、同分野でも産学官連携による同研究会が設立され、医療機器関連産業への参入を促進するための取り組みを進めている。

  県ではいわて県民計画の中で、ものづくり産業の振興において、力を入れてきた自動車関連産業、半導体関連産業に続く第3の柱として医療機器関連産業を位置付け、5カ年の同戦略を策定した。

  期間は14年度までの5カ年で、中長期を見据えた戦略。研究会は工学系からの立ち上がりだったが、戦略では医療現場との連携を図るなど、ニーズを的確に把握し、本県の技術力などを基盤に医療機器の製品開発を推進し、地域企業への参入を促進することを方針に据えた。

  基本戦略として3つの柱を掲げる。「岩手オリジナル医療機器開発」では、大学などの研究開発シーズと病院の医療機器改良ニーズなどを把握し、県内の企業技術とマッチングを図る。「大手医療機器メーカー連携医療機器開発(OEM受託製造)」では本県だけでなく東北が一体となって大手メーカーとアライアンス(複数企業による連携・共同行動)を形成して開発を推進する。

  「コバルト合金医療材料・機器開発」は、本県で産学官が共同開発してきたニッケルフリーコバルト合金医療材料の国内外への供給、いわて型人工関節などの機器開発を推進していく。

  個別戦略として「医工連携」では医療現場と企業のマッチングを推進し、医療とものづくりの医工連携プラットフォームを構築するなどで医工連携の強化を図る。「育てる」では企業がさまざまな許可や認証手続きに対応するため薬事法等研修会や薬事専門家相談体制の構築、全国規模の展示会出展の支援を進める。

  「創る」では製品開発助成制度を今年度創設し、コバルト合金プロジェクトの展開を図る。「人づくり」ではエンジニア等専門人材の育成プログラムを開発。「情報発信」では企業ガイドブックを年度内に作成する。

  戦略最終年度には医療機器製造企業を09年の12社から20社、医療機器生産額を07年の23億円から30億円、OEM受託製造企業を09年の2社から4社に引き上げる目標を掲げている。

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