盛岡タイムス Web News 2010年 11月 12日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉2 草野悟 こたつ列車

     
   
     
  毎年秋になると予約が殺到する三鉄自慢の「こたつ列車」が間もなく始まります。久慈駅から宮古駅までの北リアス線の冬の風物詩です。

  三陸鉄道の社員さんたちが、頭を悩ませるのが「予約弁当」です。今年は何にしようかと悩みまくります。理由はうまいものだらけで、食材が多すぎるから、何がごちそうなのかわからなくなってしまうからです。

  鮑(あわび)の炊き込み弁当や、三陸名物のどんこ弁当など、いつも大人気なのです。しかも鮑一つをたっぷり使った弁当でも1500円と、生の鮑一つ分の価格ですから、安すぎるという指摘が出るほどです。

  お客さんは内陸部の方々が多いようです。冬は沿岸部は観光オフシーズンというイメージなのですが、よく事情をご存じの人たちは、「美味(おい)しい冬こそ三陸は魅力」と通のお返事。さすがです。

  トンネルを通る時、運転士がいきなり車内の電気を消します。真っ暗、一瞬静寂。するとキャーという声が響きます。

  「なもみ」というなまはげに似たミノを着た怪人が紙製の包丁を振り上げて「わりいやづはいねが」と叫びながらテーブルを回ります。小さな子どもさんは泣きだすこともありますが、皆さん大喜びとなります。

  美味しいお弁当とお酒、そして「なもみ」の演出。きれいな海や山村、川を眺めての90分の旅。

  ぜひ一度、乗車の価値十分ですよ。(岩手県中核観光コーディネーター)

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