盛岡タイムス Web News 2011年 1月 4日 (火)

       

■ 「市制施行」本格検討へ 滝沢村が今月研究会

     
  市制施行に向けた検討が始まる滝沢村  
 
市制施行に向けた検討が始まる滝沢村
 
  人口5万3884人。日本一人口の多い村「滝沢」(2010年11月末現在)。同村で市制施行について検討する村行政体制調査研究会の初会合が今月開催される。研究会では市制施行を視野に入れながら、具体的にメリットやデメリットなどを広範囲に調査研究する。市になることで滝沢はどう変化し、住民はどう受け止めるのか。(泉山圭)

  ■市制移行のメリット、デメリット

  市に移行することでどういったメリットが生まれるのか。現在、村が想定しているのは財政面では交付税の基準財政需要額等の算定項目が増えることにより歳入歳出とも財政規模が拡大すること。県立大学総合政策学部の斎藤俊明教授は「村のままで行くとなると国に対する依存が強くなるだろうし、交付税の増減に従ってサービスの供給が難しくなっていく」と指摘する。

  さらに、これまでは県の事務だった生活保護の決定・実施、障害児童福祉手当の認定・支給、特別障害者手当の認定・支給、児童扶養手当の認定・支給など福祉行政分野の事務が市に権限移譲される。村企画総務課でも「身近なところで身近な決定ができる。事務スピードがアップし、住民も便利になる」と考える。

  一方で、事務量が増大すれば必要な職員数も増やさなければならず行政経費は増大する。また一般的には固定資産税や都市計画税などで住民の税負担が増える可能性もある。

  ■なぜ滝沢は市になれなかった

  なぜ、村はこれまで市に移行しなかったのか。市制のための要件は地方自治法第8条で▽当該普通地方公共団体の中心市街地を形成している区域内にある戸数が全戸数の6割以上であること(連たん率)など、県条例では▽地方事務所、税務署、公共商業安定所等の官公署が5以上設けられていること-などとされている。

  これまで市制移行のネックとなってきたのが、この連たん率と官公署の数だ。過去には98年3月の県議会予算特別委員会で「滝沢村は中心市街地として鵜飼地区を想定していると思うが、(同地区は)全村の2割程度で中心市街地を形成する区域の戸数が全戸数の6割以上との要件に該当しない」とされた経緯がある。

  一方で、柳村典秀村長は昨年の村議会12月定例会で「現在、ほかの市制移行の事例を参考にした場合、要件を満たすのではないかと考えている」と答弁した。

  官公署で同村が有するのは、警察署交番・駐在所、駅、郵便局、地域職業相談室の四つ。柳村村長は「県条例の5以上には満たないものの、市制施行協議基準にある官公署では電報電話局など既に存在しない官公署や統廃合の方向にある官公署もあることなどについて県からの指導をいただきながら本村に有している施設がこの要件の官公署に合致するのか、そのほかすべての要件についても今後詳細に調査研究を進める」としている。

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