盛岡タイムス Web News 2011年 7月 9日 (土)

       

■ 月ヶ丘小で児童を引き渡す訓練 緊急時、保護者に直接

 滝沢村滝沢字穴口の盛岡市立月が丘小学校(藤川ひとみ校長、児童462人)で8日、大規模地震などの緊急時に児童を安全に帰宅させるため保護者に直接引き渡し下校させる訓練が行われた。緊急時には保護者との連絡がつかなかったり、通学路の危険などが想定される。同校では独自のセーフティーネットワークを構築し、児童を確実に保護者の元に送り届ける体制づくりに取り組んでいる。

 同日の訓練では震度6の地震発生を想定し、児童が教室から防災ずきんをかぶって校庭に避難。少年消防クラブによる消火・放水訓練などを行った後に、地区ごとに保護者へ引き渡す訓練をした。

  校庭で地区ごとに児童が並び、同じく地区ごとに並んだ引き受け人が一人ずつどの児童を迎えに来たかを担当職員に申し出る。職員は引き渡しカードを確認し、児童を列から呼んで引き受け人に引き渡す。その後は通学路の危険個所や所要時間を確認しながら、児童と引き受け人が一緒に下校した。

  山岡玲香さん(6年)は「大きな地震が来てもこうやって避難すればいいと分かったので安心」と初めての訓練を振り返った。母親の梨恵さんは「今回の地震の時は午前授業で一緒にいたから良かったが、これが別だったらと思うと怖い。1回でも訓練していればこうやって迎えに来ればいいと分かる。下校途中で何があるか分からないので、親が直接迎えにいく安心感もある」と話した。

  菊池梨華さん(3年)の母親の恵美さんは「実際に地震を経験して、こうやって防災ずきんとかをもっと早く準備しておけば良かったと思う。(震災の時は)私は仕事に行っていて祖父母がいたが、離れていたので少し心配だった。直接子どもを引き取るということでは安心できる」と話す。一方で、普段は仕事があるために「祖父母に迎えをお願いすることがあるかもしれない」という。

  同校のセーフティーネットワークでは、震度5以上の地震で相当の被害が発生した場合や火山噴火、猛吹雪などをレベル3、震度4以上の地震で停電などの被害がある場合や学区内での不審者などをレベル2、近隣の工事初日や近隣の不審者情報などをレベル1に想定。レベル3では保護者が児童を直接迎えに来て下校、レベル2は地区別一斉下校(全学年集団下校)、レベル1は学年一斉下校を行うことを決めている。

  事前に保護者に緊急時の連絡先や第3希望までの引き受け人、自宅までの避難経路などを引き渡しカードに記入をしてもらっている。レベル3の場合は、登録されたメールアドレスに情報を一斉送信。両親が直接引き渡しに来られない場合は、祖父母や近所の人を引き渡し人として登録もできる。地震などの際は学校が避難所にもなることから、引き渡しに来られない家庭については学校が継続して児童を留め置くことにしている。

  藤川校長は「3・11の時、次の日すぐに家庭訪問を実施したが、自宅の方にはいなくて親戚の方に避難し、児童の安否確認を徹底するまでに時間を要した。連絡手段がつかないとか、このままでは自宅や下校路が心配だという場合が十分想定されるので、レベル2だけではとっても対応できないということでの実施。本来であれば学校も避難所になる。避難所になれば夜を徹して職員がいるので、最後の一人を渡すまで対応する」と話す。

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