盛岡タイムス Web News 2011年 7月 10日 (日)

       

■ 〈写真集「南部馬の里」馬と人を見詰めて〉11 遠藤広隆 脱走

     
   
     
  まだ田植え前、田んぼでは代かきが行われていた。ある曇りの日、車を運転していて旧西根町土沢にさしかかった。脇の砂利道を馬が歩いていた。少し離れた後ろを、縄を手にした男の人が同じ早さでついて行く。脱走だ!と、私は思った。

  砂利道を行く馬のしょんぼりした風情。男性のきつい表情。ああ、まるで、いたずらがばれて家に連れ返される少年のころの誰かのようだ。帰るところは、家しかない。後悔の念、あきらめ。この道が永遠に続いて、家にたどり着かなきゃいい。

  脱走した馬。厩からか、それとも柵からか。馬は逃げ出したのだ。慌てて追う飼い主。逃げ切れないと観念する馬。その後にどんなドラマがあったのか。自由になりたかったのか、自由になった先に待ち受けていたのはなんだったのか。

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