盛岡タイムス Web News 2011年 7月 12日 (火)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉285 八木淳一郎 「へび」と「へびつかい」

     
  七夕の夜、夏の銀河の下でホタルたちが逢瀬の光を放つ(紫波町山屋、7月7日午前0時)30秒間露光2コマをコンポジット処理  
  七夕の夜、夏の銀河の下でホタルたちが逢瀬の光を放つ(紫波町山屋、7月7日午前0時)30秒間露光2コマをコンポジット処理  
  さそり座はあまりにも有名ですが、ほかに「へび」座とか「おおかみ」座、はたまた「りゅう」座、「とかげ」座などと、何やら怖そうな名前の星座が夏の夜空には散りばめられております。

  そうかと思えば、「こぎつね」座や「いるか」座という、文字通り小さくてかわいらしい星座たちが大きな星の間に顔をのぞかせています。見る側の気持ちや気分でそう思えてしまうのでしょうが、夏の夜空はにぎやかに、秋はメランコリックに、冬は凍てつく夜空に厳しくも雄大に、そして春の星空はのんびり、おっとりした雰囲気を作り出しているように感じられます。

  さて、その怖い怖い名前の星座の一つ、へび座です。ヘビは長い生き物ですから、星座の上でも一カ所にまとまりきれず、頭としっぽに別れています。右側(西側)が顔、左(東)がしっぽで、間の胴体部分はへびつかい座という星座と一緒になっています。

  このようにまとまりないへび座を探そうというときは、まずへびつかい座を見つけて、その両隣をたどればいい訳です。

  しからば、へびつかい座はどんな格好をしているでしょう。一言で言えば、将棋の駒を思い浮かべることです。あの独特の五角形、と申しましても将棋の駒の「歩」はおろか「角」や「飛車」よりもずっと大きいサイズですから、ご注意のほどを。

  やはりその前に見つける手がかりがあった方がいいかもしれません。南の低い空にあるさそり座さえ分かればいいのですが、このさそり座のすぐ上(北)にへびつかい座があります。

  ヘビといえば、まるで嫌われ者の代表のような存在ですが、神話の世界ではどうでしょう。

  実はヘビを両手でつかんでいるヘビ使いというのは、笛を吹くとヘビが籠の中からくねくねと伸び上がってくるというあれではなくて、このヘビに触れたりなめさせたりすることで、人の病気を治してしまう、アスクレピオスという名の大変な名医なのです。

  あまりにも名医過ぎて、亡くなった人も生き返らせるので、喜ばしい反面、世の中が混乱してしまったことから、ヘビともども天にあげられてしまいました。

  ヘビ使いは医療のいわば夢のまた夢なのでしょうか…。体調をくずされている方は、夏の星空を眺めるときに、へび座やへびつかい座にも目を向け、心の安らぎを得ることで、どうか少しでも回復しますよう。
(盛岡天文同好会会員)


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