盛岡タイムス Web News 2011年 7月 20日 (水)

       

■ 〈東日本大震災〉かわいキャンプ開所から2週間 息の長い支援に向けて

     
  17日夕方、かわいキャンプ前で開かれたボランティアや地域の人の交流会  
  17日夕方、かわいキャンプ前で開かれたボランティアや地域の人の交流会  
 

盛岡市が災害支援ボランティアの新たな拠点として旧宮古高校川井校に開設した、かわいキャンプは開所から2週間が過ぎた。1日当たりのボランティアの宿泊は平均10人前後、16日からの3連休は同日の18人の宿泊が最高で、さらに認知度を高めていくことが課題だ。大学生らが本格的な夏休みに入る7月下旬から8月にかけては、20〜30人程度の利用問い合わせもあり、被災地のニーズとのマッチングを図りながら、機能の充実を図っていきたいという。

  17日夕方、かわいキャンプに、被災地での作業を終えたボランティアがマイクロバスで戻ってきた。この日は、盛岡市からアジア航測盛岡支店、タックエンジニアリング、鳥正、サンワミートの4社とNPO法人アイディングが激励の炊き出しに訪問。焼き鳥500本を提供し、地域の人や市の職員も招いて交流会が開かれた。

  アイディングの藤枝薫代表理事は「ボランティアの人たちにも感謝とねぎらいの気持ちを伝えたい。川井地区の地元の人たちにも必ず助けてもらうことになる。交流の場をつくってキャンプの存在を認知してもらえれば」。近所の野尻フヨさん(71)は「高校がなくなり寂しい思いをしていた。にぎやかなほうがいい。ボランティアの方々には、ただただ頭が下がる」と感謝した。

  災害支援ボランティアの無料宿泊所として利用できる、かわいキャンプは6日にオープン。約100人の利用が可能で、市から委託を受けた同市社会福祉協議会が職員を交代で常駐させ運営している。山田町や大槌町、宮古市などの災害ボランティアセンターと連携。個人でボランティアに訪れる人にも、被災地での作業を紹介するボランティアコーディネート機能を持つ。

  今のところ、利用者の多くが県外のボランティア。がれきの撤去や住居の清掃、収拾写真の整理などが主な作業だ。3連休初日の16日は18人、17日は11人のボランティアが宿泊し、大槌町や山田町へ向かった。2日間のボランティアを予定し17日夕方、大阪府箕面市から到着した新居百合子さん(46)は「何かしたいと思っていても、なかなかできなかった。こういう施設はありがたい」と語った。

  かわいキャンプでは利用者の増加に合わせてマイクロバスの台数も増やし、ニーズに応えていく予定。瀧野常實所長は「ボランティアの気持ちはあっても一歩踏み出せなかった人を応援したい。これからは避難所から仮設住宅などでの暮らしに移り、ボランティアの内容も変化していく。キャンプの収容力からしても、まだまだ満足できるような活用状況ではない。多くの方に利用を呼び掛けたい」としている。

■被災地入りは7回目に−大阪市の男性

 大阪市から来たボランティア長塚英治さん(44)は、4月6日の宮城県塩釜市での活動以来、7度目の被災地入り。今回は16日に岩手入りし、かわいキャンプを利用。17日も朝から個人住宅の泥かき作業に汗を流した。

  ファイナンス会社の営業マン。金曜夜、飛行機か新幹線の最終便で東北へ。日曜の夕方まで被災地で活動したあと月曜朝、大阪に戻るパターンが多い。4月から、ほぼ隔週ごとに東北の被災地を訪れている。

  1年前に母親の千枝子さんを亡くした。国内外の福祉活動に熱心な人で、その後ろ姿を見て育った。千枝子さんの一周忌が過ぎ、新しい生活に踏み出そうと考えていた矢先の大震災。「おかんが『お前行け』と言ってる」と感じたという。

  被災地では「これ、本当にボランティアの仕事」と思う作業もあった。ある砂浜では、手作業でいくつも穴を掘り、金属片を探した。「金属探知器と重機を使ったほうが明らかに早い。効率もいいのに」。

  5月に参加した腐った魚の回収作業では、放置された魚に既にウジがわいていた。本来なら行政がすぐに手を打たなければならない仕事だ。「まだまだ、コーディネートがうまくいってない。一度、被災地の現実を見てしまうと、またこなあかん、と思いますよ」。

  「ありがとうございます。われわれのために遠くから」。特に岩手では誰からともなく声を掛けられる。それが、たまらなくうれしい。体力的には厳しい。交通費もばかにならない。が、できる限りはボランティアを続けたいという。「みんなできることをしたらいい。ここに来られなければ東北のものを買って応援することもできる。無理せず続けられることをしたらええと違いますか」。 (馬場恵)


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