盛岡タイムス Web News 2011年 7月 26日 (火)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉286 八木淳一郎 ヘルクレス座

     
  紫波町五郎沼のハス池から望む西天。月明かりのある夜だが、うしかい座の星たちはよく見えた。中央にかんむり座、その上にコルネフォロス(ヘルクレス座)、左はへび座の頭。(7月23日午前0時)  
 
紫波町五郎沼のハス池から望む西天。月明かりのある夜だが、うしかい座の星たちはよく見えた。中央にかんむり座、その上にコルネフォロス(ヘルクレス座)、左はへび座の頭。(7月23日午前0時)
 
  ヘラクレスの名は、カークダグラス主演の映画などで昔のお兄さんお姉さん方はきっとおなじみのものでありましょう。今の若い人にはあまり知られていないようです。

  ギリシャ神話に登場する英雄ヘラクレスですが、星座にもなっていて、ただ星座の名前はヘルクレス座という微妙な違いがありますのでお見知りおきのほどを。

  今まさに旬の星座で、午後8時ごろですと、ほぼ天頂付近に見ることができます。「英雄色を好む」ではないのですが?ヘルクレス座の形を一言で表しますと、H(エッチ)の形をしていることできっと分かりやすいはずです。エッチなヘルクレスとでも覚えておいてください。

  前回ご紹介のへびつかい座の上(北側)に逆さまの形になっていて、へびつかいとは頭を突き合わせる姿になっています。これまた、うまい具合に並んでいるのがそれぞれの星座の主星です。

  へびつかい座の主星は明るさが2等級でラス・アルハゲの名前があります。これはへびつかいの頭という意味です。頭がはげているという意味ではありません。

  このすぐ西隣りにヘルクレス座の主星ラス・アルゲチが並んでいます。ひざまづく者の頭という意味で、ケチな男という意味では全くありません。こちらの方は変光星という明るさの変化する星で3等級から4等級の間を不規則に変わる星です。

  その上このラス・アルゲチは、青色と黄色の二つの星からなる二重星として、望遠鏡を通して美しい姿を見せてくれます。ついでながら、ひざまづく者という名前のいわれは、ヘルクレス座の名前が付く以前、この星座がひざまづく者と呼ばれていたことに由来するからです。

  ヘルクレス座の中にある天体のもっとも有名なものに、M13という番号の付いた球状星団があります。球状星団と呼ばれる天体は星空のあちこちにたくさんあるのですが、その中でも1、2を争う見事なものです。

  数十万個もの星がぎっしりとひとかたまりになっていて、望遠鏡の口径が大きくなるに従って周辺の星が一層ぶつぶつとあるいはパラパラと分離して見え、いかにも多くの星が密集している姿には神秘的という形容がぴったりです。

  これら球状星団は私たちの銀河系から数万光年の距離のところに、銀河系を取り巻くようにしてたくさん存在しています。

  ヘルクレス座の東隣りにはこと座、はくちょう座、わし座が天の川と一緒に上ってきて、夜空はいよいよ夏真っ盛りの風情です。
(盛岡天文同好会会員)

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