盛岡タイムス Web News 2011年 8月 3日 (水)

       

■ 独自全頭検査案を維持 県産牛出荷停止で県、緊急会議

     
  県産牛の出荷停止指示を受け開かれた緊急会議  
 
県産牛の出荷停止指示を受け開かれた緊急会議
 
  県は2日、国による県産牛の「出荷制限の指示」に係る緊急会議を県内市町村、生産関係団体に呼びかけて盛岡市内で開いた。指示の内容、解除申請までの流れについて説明し、指示内容の徹底と、出荷再開に向けた手続きなどについて理解を求め、関係者が一丸となった取り組みによる早期再開への協力を求めた。解除申請のために作成する検査計画について、県は安全管理体制の整備の面で、指示発動前の7月27日に県独自に決めた安全・安心な牛肉を提供するための全頭検査スキームをベースとしていく考えを示した。

  東大野潤一県農林水産部長は冒頭「このような事態となったことは残念。畜産県としてこの事態を乗り越えていきたい。皆さんの力を借りながら平常時に一日も早く戻していきたい」との姿勢を示した。

  本県で飼養される牛は当分の間、12カ月齢以上の牛の県外の移動、と畜場への出荷を差し控えなければならなくなった。解除条件として県から適切な飼養管理の徹底や安全管理体制を前提に出荷制限の一部解除の申請が必要で、県で作成する検査計画により国へ解除申請する。

  県は会議で、県の考える検査計画に盛り込む事項を提示。今後、厚生労働省、農林水産省と協議していく中で変更される可能性がある。

  適切な飼養管理の徹底に関しては▽全畜産農家を対象とした原発事故後稲わらの使用状況と、供与されている事故後稲わらの放射性物質の濃度調査▽個別巡回による飼養管理状況の確認調査▽全市町村対象の今後収穫される粗飼料の放射性物質のモニタリング調査-などを想定。

  安全管理体制の整備は、県が農業団体などと協議して既決の全頭検査スキームをベースとすることで国の示す安全体制にほぼ対応できると推察。事故後稲わらを給与された牛と給与稲わらの検査ができなかった農家の牛は全頭検査とし、稲わら未給与の農家と稲わらが暫定許容値以下の農家は1頭目の牛を検査する全戸検査、県内唯一のと畜場である岩手畜産流通センターで処理される牛は全頭検査する内容となる。

  出席者からは「解除申請までの日程的なめどは」と質問が出たが、いつまでと言えないと回答。敷料に使う農家が多い酪農では「敷料使用でも必ず食べていないと断言できる人はいない。早急に敷料使用の取り扱いを詰めてほしい」という要望が出た。

  1日の指示発表の記者会見で枝野官房長官が「飼養管理に問題のあった農家」と表現したことに対し、農協関係者から「問題のあった農家は岩手にはいない。農家が悪かったようにとられる」と不満が出され、徳山順一農政担当技監は「私も悔しい。機会をとらえて国に言いたい」と答えた。

  出荷停止中も解除後も農家経営は死活問題となり、県独自または国への要望で緊急手当をすべきという意見も出た。

  県は指示内容などに関するパンフレットを作製し、市町村、農協などの協力で、早ければ3日から全畜産農家への配布を始める。

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