盛岡タイムス Web News 2011年 8月 8日 (月)

       

■ 〈東日本大震災〉債権買い取りへ県産業復興機構 国8割出資で500億円造成

     
  二重ローン対策について中山政務官(左)と合意した達増知事  
 
二重ローン対策について中山政務官(左)と合意した達増知事
 
  県復興に向けた金融関係機関連携支援対策会議が7日、盛岡市内で開かれた。東日本大震災津波に伴う二重ローン対策で、被災事業者の債務整理のスキームについて国と県が合意した。「県産業復興機構」を設立し、金融機関から被災事業者の債権を買い取り、元本と金利を凍結する。このために中小企業基盤整備機構を通じて国が8割、地域金融機関が2割を出資して約500億円を造成する。債務がなくなった事業者は新たな借り入れが可能になり、事業の再建に本格的に取り組める。機構に残った債権は一定期間のあと金融機関などに売却し、事業者が体力を回復してから返済する。

  会議の席上、達増知事と中山義活経済産業大臣政務官が基本合意を取り交わした。被災企業のワンストップ窓口として産業復興相談センターの設置と、県産業復興機構による二重ローン対策について具体的に示した。

  機構は無限責任組合員が運営する。対象の事業者については「震災を起因に過大な債務を負い、被災前の正常な経済活動に支障を来しているが、メーン行などが新規融資で事業再生を支援し、センターで再生可能性があると判断された事業者」とした。

  二重ローン解消の具体的な方策として「機構は事業者の既往債権を買い取り、一定期間債権を棚上げし、元本及び金利返済を凍結する。この間、事業者は再建に専念する。買い取り後5年が経過した時点で凍結期間の終了の可否を関係者間で協議し、合意が得られた場合には事業者の申し出に基づき凍結期間を終了することも可能とする。機構は凍結期間が終了した段階で、事業者の状況を確認したうえ、一部債権放棄などを行い、残債を地域金融機関など第3者に売却する」。

  19日に準備委員会を開き、県、金融機関、県信用保証協会、商工会議所、東北財務局などで構成した準備委員会を開き、9月中旬の設立を目指す。

  会議の席上では岩手銀行の高橋真裕頭取から「モラルハザードが起こらないようにしてほしい」などの要望があった。

  中山政務官は「自分が経営を失敗して企業が銀行に融資を求めるのではなく、千年に1度の大災害で今まで順調にやっていた商売が失われる。過去に借りていたお金があったり、設備投資をしていたり、二重ローン問題を抱えて困っている人がいる。わたしたちはできる限り国がリスクを負うべきだと考え、予算を提示している。あくまで国がしっかり保障する枠組みを見せた方が良い。何より大切なのはスピード感。今ある制度で少しでも早くやる」と話した。

  達増知事は「二重債務問題について地域の金融力の総意を結集して被災地支援に進んでいく可能性が出てきたのは良いこと。復興の準備委員会を議論を進めながら活動していくが、かつてない災害に直面してかつてない連携の形を作るが、平時におけるリレーションバンキングを産金官の連携で支えていく形につながる」と述べた。

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