盛岡タイムス Web News 2011年 8月 9日 (火)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉287 八木淳一郎 宇宙へのいざない

     
  盛岡市子ども科学館のプラネタリウムで解説を担当する高橋智香子さん(上)と武田佳子さん  
  盛岡市子ども科学館のプラネタリウムで解説を担当する高橋智香子さん(上)と武田佳子さん  
  このところ、実はまだ梅雨が明けていなかった、と言えるようなうっとうしい天気が続いていました。

  こういう時はプラネタリウムに行ってみるのも気分転換のためにいいかもしれません。全国にはたくさんのプラネタリム館がありますが、盛岡市子ども科学館の担当の方々の生解説はべっぴん、いや絶品です。

  それぞれの個性をいかんなく発揮した軽妙な語り口は星座神話の神々さえも魅了してしまうほどで、ましてや一度訪れた人はその甘いわなにはまってしまうこと請け合いです。

  曇った夜空、困った曇り空に相対したとき、そっと目を閉じればプラネタリウムの美しい星空の思い出がよみがえってくることでしょう。

  思い出は美し過ぎるものです。あ、いえ、それはともかく、南の空に心の目を向けながら思いを巡らせてみましょう。天頂付近には七夕でもおなじみのこと座、わし座、はくちょう座の主星が作る夏の大三角が目につきます。

  目を下方に転じてみましょう。私たちの住む天の川銀河の流れが太く濃くなって地平の彼方へと注がれています。このあたりは、さしわたしが10万光年、2千億個の星から成る天の川銀河の中心です。私たちのいる地球を含めた太陽系は、中心から3万光年という比較的端の方にあるので、銀河系の中心の方を見たときにたくさんの星が密集して濃い光の帯として見える、これが天の川の正体です。

  南の方角の天の川の中にはいて座、たて座、西側にはさそり座がちりばめられています。たて座のあたりには、スモールスタークラウドと呼ばれる、無数の星々が集まってまるで雲のようにひときわ濃くなっている部分があります。砂つぶのような小さな光の点ですが、一つ一つ、みな太陽と同じような星たちです。

  宇宙と呼ばれる世界に生まれ、その宇宙がどんなところなのかを知るために人は生まれてくるのだ、と言う人がいます。確かに、人は星のかけらからできています。

  たくさんの星が輝いている光景を目にしたとき、誰もが同じ思いにかられるに違いありません。たとえ夜空や心が晴れていないときでも、プラネタリウムはきっとそんな思いへ誘ってくれることでしょう。
  (盛岡天文同好会会員)


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