盛岡タイムス Web News 2011年 10月 3日 (月)

       

■ 〈幸遊記〉39 照井顕 溝口一博のJAZZさろまにあん

 長崎でタクシーに乗り、「ジャズの店に!」と言って、連れて行かれたところは、道と道に挟まれた五又路の三角地に建つ変わった形のビル、その3FにJAZZのネオン。そこは2008年11月にも、訪れたことのある「さろまにあん」という店だった。マスターの溝口一博(66)さんは、根っからの「ソニー・ロリンズ(テナーサックス奏者)」のファンであり、ロリンズのスタイルを受け継ぐ自己のカルテットを持つサックスのプレイヤーでもある。

  店名はかつて、バイクに乗って全国を駆け巡った時に印象に残った北海道の、サロマ湖の畔にあった民宿の名に由来するというが、それこそ、湖のように静かな海が広がる長崎のジャズ・サロン・マニア?が集う店なのだ。

  中学時代ラジオで聴いたジャズに魅せられ、高校卒業と同時にジャズ喫茶に通い、その後、修行のため上京した東京で、ソニー・ロリンズの公演を観、聴きし、その茶目っ気にひかれたほど、真面目なサックス吹きだった彼。ロリンズ来日のたびに親交を深め、今では「グット・フレンド」と言われるまでになった。

  彼が思案橋の楽器店で、自分が初めて手にしたサックスに吹き込んだ息が、音となって出た時の感激!それは、サックス奏者となった、溝口一博の誕生の瞬間だった。その彼に楽器の手ほどきをしてくれたのは「長崎は今日も雨だった」の大ヒットで知られた、内山田洋とクールファイブのメンバーだった岩城茂美氏。

  店で客が「何かやって」と、リクエストすれば、数十年使って来たテナーサックスを抱き上げて、「止まりませんよ!」と吹き出す。それまで店に流れていた映像だって彼のライブ盤。そう、自分の音が大好きなミュージシャンであり、ジャズ喫茶のマスターなのである。

  彼のCDタイトルの一つ“セカンド・ミーティング”が示すように、ライブ演奏するのは、他の演奏者や、ファン、店のお客さんたちとの再会という意味もあり、そのためのライブなのだと。だから自分のコンサートの時には必死になって客を集め、満員にする努力をするのだとも。バーボン片手にゆでピーをいただく。
(開運橋のジョニー店主)


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