盛岡タイムス Web News 2011年 10月 14日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉69 草野悟 素晴らしい若者たち

     
   
     
  9月の台風12号と15号は、近畿地方に甚大な被害をもたらしました。この写真は和歌山県熊野川町の民家に入った汚泥を取り除く作業をしているところです。

  頑張っているのは和歌山大学の酒井豊君ほかの学生さんたちです。彼らは7月から8月にかけて三陸沿岸のボランティアに50名ほどで来てくれました。和歌山からバスで2日間、長い旅路のあと一生懸命がれき撤去や排水溝の汚泥処理などをしてくれました。

  宮古から陸前高田市に回り、住田町をベースキャンプにしての活動でした。彼らが和歌山へ戻ってすぐに台風直撃です。

  「酒井君大丈夫か、どんな状態なの?」と電話で聞きましたら、「今、田辺市にいます。浸水した民家の清掃をしています」とのこと。すばやい行動です。テレビで見ていますと、深層決壊という大規模な土砂崩れに、民家が押しつぶされ、まるで津波のようです。

  岩手まで来てくれた学生さんたちが、今度は郷土の和歌山で救助作業をしています。私の学生時代に、こんな行動ができたかなとずい分と考えさせられました。

  「酒井君、被災した方々、どんな状態ですか。何か必要なものがあったら何でも言って」と聞きましたら、「たぶん岩手と同じ状態だと思います」とのことで、すぐに三陸鉄道を勝手に応援する会の会員に呼びかけて物資を送りました。

  三陸鉄道や熊谷旅館、つなぎ温泉の女将さんたちも協力してくれました。毛布やシーツ、食料品、食器などです。会員のバス会社 竹田さんの倉庫を借りてみんなで荷造りです。和歌山の被災地に届くまで発送から7日ほどかかりました。

  届いた連絡の後、「酒井君、今サンマが水揚げされているので、皆さんにサンマを送ろうか」と聞きましたら、「今炊き出しどころじゃありません」と断られました。すみません、そうですよね。三陸沿岸で十分経験しているのに状況判断ができませんでした。反省です。

  和歌山大学の先生のご指導、そして真摯(しんし)に被災地と向き合う学生さんたち。本当に素晴らしい人たちと出会えました。和歌山の復旧はまだまだと思います。ご苦労様です。こうした若者が10年後、20年後、日本のリーダーとして活躍してくれると信じています。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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