盛岡タイムス Web News 2011年 10月 28日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉71 草野悟 消息が分かった友達

     
   
     

 20年前に沿岸で行われた三陸海の博覧会の事務局仲間は、今でも親密な連携を続けています。震災直後から大槌と両石に住んでいた仲間2名の安否確認で毎日のようにメールで情報交換です。

  6月に入り伊藤昭男さんが「吉崎さん発見」との朗報を伝えてきました。家は壊れたけど夫婦で無事とのこと。次に「山さんは?」と手分けして探しました。釜石職員の佐々木豊君が「釜石の避難所にいるようだ」と。高橋保さんはじめOBみんなで安堵いたしました。

  たくさんの方々が被災し、亡くなっている現実の中では手放しでは喜べませんが、仲間の無事が確認できたのはとてもうれしいことです。当時の事務局長神田隆さんが情報を聞き、奥さんと車で被災した3名を訪ねて行ったそうです。そのうちの一人、山田の隆康君が「びっくりした、うれしかった」と大喜びでした。

  8月にほんの少しの物資を車に積んで、大槌の仮設住宅に吉崎さんを訪ねました。久しぶりの再会でした。リアルな当時の話が続きましたが、さすが三陸博で鍛えられたせいか、避難所仲間と「落ち込まないよういつも明るくしていた」とのことでした。

  とても重宝だったと述懐してくれたのは、「小野食品の魚の惣菜冷凍シリーズ」だったそうです。いつも常備していたもので、数日経って津波が引いた自宅へ戻ったら冷蔵庫がドアを上に向けて倒れていたそうです。当時は寒かったためか、商品は無事、冷凍パックを全て取り出し避難所へ戻り、皆さんに振る舞ったそうです。

  その当時はおにぎりしかなく、避難所では思わぬごちそうに泣いてしまった人もいたそうです。

  その小野食品の大槌新工場は全て破壊されました。社長の小野昭男さんは、めげずに元気に復活に取り組んでいます。幾分商品も出来てきたそうでうれしいですね。

  魚介類の水揚げが出来ても、買ってくれる加工食品会社が復活しなければ水産業の復活とは言えません。吉崎さんから最近手紙がきました。「家を直しました」と。おめでとうございます。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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