盛岡タイムス Web News 2011年 10月 29日 (土)

       

■ 放射線対策、実情理解してと市町村 風評もがれきも農産物も

 県内13市で構成する県内都市環境問題対策協議会の主管課長会議は28日、盛岡市内で開かれ、福島第1原発事故に伴う放射能問題について意見交換した。がれきや農産物など影響が多方面にわたる一方、影響の大きさや取り組みに地域差があるのも実情。国の方針が示されないため市町村判断で責任を負う面もあり、市町村の意見を国への要望や制度設計に反映するよう県と連携する必要性があることを確認した。

 同日は一関、遠野2市を除く11市が参加。県で放射能対策を主管する環境保全課職員を講師に招き、県の取り組みや課題について説明。参加各市の担当職員がそれぞれの放射線調査実績とその課題などについて紹介した。

  放射能問題については▽空間線量率(教育施設など)▽災害廃棄物(がれき)広域処理▽水道水▽下水汚泥▽ごみ焼却施設の焼却灰▽農水畜産物▽飼料用牧草、稲わら|など影響が多方面にわたる。

  一方、調査方法などは各市独自に行われているのが実態。焼却灰や下水汚泥、稲わらなどで国の示す基準値などを上回っていたり、処理方針が明確でなかったりするものの対応は各市に委ねられている。影響が大きい県南では晩秋に向かい、落ち葉、せん定枝の問題も懸念される。

  奥州市の千葉信生活環境課長は県に対して「目線を数値の高いところに置いてほしい。困るのは末端の市町村だ。市内では給食の食材も調査するよう要望が出ている。焼却灰の問題も放射能を積んだ車を通学路に走らせるなとも言われている」と困惑気味に話した。

  久慈市の夏井正悟生活環境課長は「災害廃棄物について八戸市に受け入れてもらう予定だったが、受け入れてもらえなくなった。全国的に沿岸のがれきを受け入れないキャンペーンが展開されているような動き。広域処理の打開策は1自治体がルートを作るのは難しい」と語った。

  陸前高田市の佐藤彰市民環境課主任主事は「津波被害の方が大きく、当初は放射線より生活基盤の確保が優先された面がある。京都の大文字焼きで松が受け入れ拒否され、京都からは持ち込むななどと電話があった。(不安や危険を)あおるような情報が流れないようにしてほしい」と風評被害の面も訴えた。

  盛岡市の千葉芳幸環境部長は「これだけの問題であり、県には調査や除染などの対策に関する制度設計についてはわれわれ自治体の声を聞き、連携してほしい。市長会や町村会など大きい組織で国や東電に対する要望、風評被害対策を進めるべき。安全性を担保するのは国で示してもらわなければ、市町村では判断できないし、単一自治体では限界がある」と主張した。

  11月1日の県内副市長会議でも引き続き放射能問題について、県との連携などで議論が交わされる見込み。

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