盛岡タイムス Web News 2011年 11月 16日 (水)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉254 八木淳一郎 ペルセウスの宝石箱

     
  峠の上空に横たわる天の川。ペルセウス座は右上隅にある  
 
峠の上空に横たわる天の川。ペルセウス座は右上隅にある
 
  アンドロメダ姫を海の怪獣から無事救い出したペルセウス王子。そのペルセウスと言えば、夏のお盆の頃、街の灯りのもとでも見える明るい流星が良く飛ぶペルセウス流星群というのが有名です。寒い季節と違って、外にしばらく居ても体調を崩す心配のない季節ですし、また、お盆休みで帰省中とか、夏休みで山や郊外に出掛けるとかして、たくさんの流れ星を見たという人も多いことでしょう。

  さてそれでは、今からの季節にペルセウスにちなんだ天体にはどんなものがあるのでしょう。一時的あるいは突発的な天文現象とは違って、いつでも目にすることのできる天体の数々。その代表的なものにペルセウス二重星団というものがあります。星団とは書いて字のごとく、たくさんの星が集まったものです。これに2つの種類があって、球状星団と散開星団と呼ばれるものです。

  球状星団はこれも名前の様に、星が集まってボールのように丸い形になっているものです。その星の数は数万から十数万個。ほとんどが年老いた星で、数百個の球状星団が私たちの銀河系の外側に、周りを取り囲むように散らばっています。

  もう一つの散開星団というものは、比較的若い星の集まりで形はまちまちです。有名なすばる(西洋名プレアデス)はその代表と言っていいでしょう。

  ペルセウス座の二重星団も散開星団に分類されます。この二重星団にはh・χ(エッチ・カイ)の記号がついていますが、それは、ペルセウス王子はエッチなのかい?といった意味ではありません、残念ながら。それにしてもこんな美しい天体に随分やぼな名前(記号)を付けたものです。昔の人がついボンヤリしていて、ただの2つの恒星としか見ていなかったため、とされているのですが…。

  この二つ、空のいいところでは肉眼でもうすボンヤリと見え、双眼鏡では存在がいよいよはっきりとしてきて、倍率を低くしての望遠鏡を通して見ますと、同じ視野に宝石箱が二つ並んだようにしてたくさんの星が明滅する美しい光景に、うっとりと見続けること請け合いです。女優の○○さんやご近所の□□さんを見るように…?。ところで、hの方は7010光年、χは8010光年の距離にあって、年齢はhが2000万年、χが1000万年と計算されています。すばると同じようにまだ若い天体です。どちらも200〜300個の星の集まりですが、構成する星の特徴には二つとも似通ったところがあり、距離や年齢に隔たりはあるものの、同じ星雲から生まれたいわば兄弟ではないかと考えられています。

  さて、ペルセウス座には他にも注目すべき天体がありますが、それについては後ほどということに。
(盛岡天文同好会会員)

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