盛岡タイムス Web News 2012年 1月 10日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉139 及川彩子 遊びのラッキーナンバー

     
   
     

 先日、ヴェネチアの友人ティノから、久しぶりに食事の誘いがありました。「ロットで10万円勝ったから…」と、私たち家族に、今が旬のアドリア海名物シャコ料理をごちそうしてくれたのです。

  ロットは、イタリア政府公認の「賭けくじ」。任意の2桁〜5桁の数字とミラノやナポリなどの都市名の組み合わせを当てるのです。

  イタリアでは毎週日曜日、全国的に行われる13組のサッカー試合セリエAに賭ける「トトカルチョ」が有名ですが、ロットもまた根強い人気の宝くじです。

  喫茶店やたばこ屋のカウンターで気軽に買えるロットは、1回の掛け金が5ユーロ。毎週2回、抽選があり、新聞紙上やネットに当選番号と配当金が発表されます〔写真〕。

  ティノに勝利をもたらした数字は「17・ヴェネツィア」。17を、ローマ数字で表記するとXZ。それを並べ替えるとXT]T。ラテン語の「命尽きた」の意味で、嫌われ数字ですが、ティノがあえて17を選んだのは、前月の17日が愛犬の命日というのが理由。ところが、その忌み数字が見事的中したので大喜び。そこで大盤振る舞いとなったのです。

  「13」も嫌われ数字です。キリストの「最後の晩餐」で、イエスを裏切ったユダの席が13番目。このため、イタリア人は13人ではテーブルに座りません。それなのに「13日の火曜日は運が良く、17日の金曜は運が悪い」とのことわざがあります。なぜかは不明です。

  サッカーファンのティノに「次回のトトカルチョは13?」と聞くと、首を振って「NO!」。トトカルチョの試合が13試合あることから、13は全勝を意味し、今では遊び人のラッキーナンバーなのだそうです。

  古くからの教えも、時と場合によって使い分けるイタリア人。キリストのご利益より、全勝を狙う気楽な人柄に、改めて親しみを感じるのでした。


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