盛岡タイムス Web News 2012年 3月 21日 (水)

       

■ 復興へ課題を共有 被災地支援シンポジウム

     
  被災地支援シンポジウム「これからのボランティア活動を考えよう!」  
  被災地支援シンポジウム「これからのボランティア活動を考えよう!」  
  東日本大震災から1年を機会に、これからのボランティア活動のあり方を考える被災地支援シンポジウムが19日、盛岡市中ノ橋通1丁目のプラザおでってで開かれた。同市の主催。盛岡地域で沿岸被災地の支援活動に取り組む5団体の代表らによるパネル討議などが行われ、復興実現まで被災者一人ひとりに寄り添う活動を継続していくことを誓い合った。各団体の情報や課題を共有することや、活動を検証し記録として次世代へ引き継いでいく必要性なども話題に上った。

  シンポジウムには支援団体の関係者やボランティアら約40人が参加。阪神淡路大震災での経験が豊富なNPO法人シーズ加古川(兵庫県)の田中茂代表が基調講演したあと、各団体の代表が、もりおか復興支援センターの斎籐純センター長の司会で意見交換した。

  ボランティア拠点かわいキャンプを運営する盛岡市社会福祉協議会の熊谷良治さんは、3月11日までに延べ7700人近いボランティアが活動したことを報告。拾得写真の洗浄、整理など活動を通して蓄積されたノウハウもあるとし、キャンプの新たな役割として研修、研究、調査の場としての活用を提案した。「専門家に個人参加のボランティアも加わり、ノウハウを伝え、どんどんバトンを渡していける場にしたい」と話した。

  盛岡市女性センターを運営するNPO法人参画プランニングいわては女性専用の電話相談開設など、女性の視点に立った支援活動を展開している。被災地で女性の起業の芽を育てる、買い物支援活動などにも取り組んだ。

  被災した女性の自立という点では「むしろ、これからが正念場」と平賀圭子理事長。「災害があるとDVの相談は通常の3倍になると言われ、センターの相談件数にも如実に現れている。エネルギーが低下した女性が、自分の力で動き出し、問題を解決していくことができるよう支援を続けたい」と述べた。

  これからの暮らし仕事支援室長の吉田直美さんは、パーソナル・サポートと呼ばれる手法で生活困窮者らを支える。相談を受けたサポーターが複雑に絡み合った問題を分析、専門の相談機関や就労支援機関などにつなぎ、伴走者となって自立を目指す。

  「暮らしの立て直しや心の問題など目に見えない復興には長い時間がかかる。人が人を支える支援が求められる。被災者は沿岸地域に住む人ばかりとは限らない。ボランティア活動の中で、助けを求めるつぶやきを聞いたときは、専門の相談機関につなげてほしい」と呼び掛けた。

  盛岡と沿岸被災地を結ぶ支援活動を続けてきた、いわてゆいっこ盛岡の吉田光晴さんは「多くの人や物を失った震災は、これまでの価値観を見直す機会にもなった。被災者に直接、語ることは難しいが、幸せは、失ったものとは違うところにある。その価値観を頭に置いて発信することが大事だ」と提言。「ワカメ石けん」作りなど、被災地から提案のあった特産品づくりに、人手を派遣するなど、復興のステージにあった支援事例を紹介した。

  もりおか復興支援センターの細田玲副センター長は「各団体のネットワークを通じて、問題点を洗い出し、情報を共有していくことが、ますます重要になる」と話した。

  シーズ加古川の田中代表は、各団体の被災地支援活動を記録し、次世代へ引き継ぐことが、次の災害時に大きな力になると助言。目の前の活動に追われる支援団体に代わり、ネットワークの事務局や大学など第三者が、活動を検証し、記録を残すことも「一つの方法」と提案した。

  もりおか復興支援ネットワークの代表も務める寺井良夫SAVE IWATE代表理事は、人と人とのつながりや、思いやりの心を大切に「意識を風化させることなく、支援を続けなければいけない」と強調。「自分を犠牲にし、人々の幸せを願った宮沢賢治の精神を活動の支えにし、イーハトーブの実現に向けて努力したい」と誓った。


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