盛岡タイムス Web News 2012年4月 20日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉95 草野悟 三陸海の博覧会から20年

     
   
     
  年齢を重ねると、月日のたつのが早いとよく言います。確かに早く感じるかもしれません。待ち遠しいことは、なかなか時間が進まないのに、過去はあっという間です。東日本大震災も、昨日のことのようなのに、すでに13カ月。大震災をイベントと言ったら眉をひそめられますが、本来の意味は「突発性の出来事」がイベントの語源です。

  20年前の大イベント、三陸海の博覧会をご存じの方は、少なくても23、4歳以上の方です。釜石、山田、宮古の3会場で開催されました。私はプロデューサーとして準備のため、多くの事務局の人たちと釜石に住みました。あれから20年、そしてその会場全てが津波に襲われました。

  写真は、当時のコンパニオンを務めた釜石の浦津さんからです。すでに2児のお母さんとなり、ご主人と楽しい生活をしています。釜石の平田というところにお住まいで、当然津波も襲ってきました。

  その浦津さんからのお手紙です。「足元にふきのとうが芽を出しているのに気づきました」との書き出しです。パソコン文字全盛の時代となりましたが、やはり心のこもった手書きの文字は、春の風のように心をくすぐります。丁寧な文字でしっかりとした描写です。次のページには、当時のコンパニオンの方々の消息が書かれていました。一生懸命調べてくれました。7月7日に盛岡で20周年の集いをしようと、仲間が集まり連絡したからです。

  震災でご家族を亡くされた方なども含め、丁寧に書いてくれました。連絡がとれた方にはすべてご案内を出します。被災したOBもたくさんいますが、皆さん「ぜひ行くよ」と連絡をくれます。この強いつながりこそ、一緒に取り組んでくれた仲間です。何名かは、出したくても出せない友人もいますが。つらいことです。

  それでも20年たちました。また新しい未来の「三陸博」に向かって動き出そうとしています。またいつかきっと、今度は大きな人の波が三陸に来ますように。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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