盛岡タイムス Web News 2012年4月 27日 (金)

       

■ 小沢氏に無罪判決 陸山会事件

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反の罪で強制起訴された民主党元代表の小沢一郎被告(69)の判決公判が26日、東京地裁で開かれ、大善文男裁判長は無罪を言い渡した。求刑は禁錮3年。民主党県連は「裁判所が良識と公正さを示した」と判決を評価。一方、野党側は「疑いが晴れたわけではない」「政治的、道義的責任は重い」などと批判の声を高めた。消費税増税問題など野田首相と政策的隔たりが大きい小沢氏が事実上、復権したことで政局への影響は必至。県内各党は次期衆院選をにらみ、対決姿勢を強める。

  2009年5月に導入された強制起訴制度による判決は2例目で、いずれも無罪となった。大善裁判長は、収支報告書への虚偽記載や小沢氏が元秘書から記載内容の報告を受け、了承したことは認定したが、故意や共謀の罪までは問えないとした。検察審査会による強制起訴の議決も有効との判断を示した。

  民主党県連の佐々木順一幹事長と工藤大輔幹事長代行は、盛岡市の県連本部で記者会見し「裁判所が良識と公正さを示されたことに敬意を表したい」と談話を発表。「小沢氏の党員資格停止は直ちに解除されなければならない。この間、党勢の退潮を余儀なくされたが、改めて小沢県連代表を先頭に与党としての責任を果たしていく」と決意を語った。強制起訴のあり方を含めた検察審査会の見直しや取り調べの可視化の必要性も強調した。

  今後の政局について「党内論議だから、話し合いをすることで理解が深まってもらいたい」と党執行部との対話を望んだが、小沢氏の党代表復権にも「岩手からの総理実現を目指して活動してきた」と期待を込めた。

  一方、県議会庁舎で記者会見した自民党県連の千葉伝幹事長は「証拠不十分なための無罪判決。4億円もの巨額資産の原資の出所など不可解な点が多く、完全に疑いが晴れたわけではない」と指摘。「政治的、道義的責任があり、国会での説明責任を果たす必要がある」と語気を強めた。一連の裁判で挙げられた、不透明な資金の使い方に「県民の厳しい目が向けられている」とし、民主党優位の県政界にも「少なからず影響が出てくる」との見方を示した。

  公明党県本部の小野寺好代表も「秘書のやったことに全く関与しないというのは一般の感覚をはるかに超えている」と批判。「愚かな検察と国民の期待に応えることのできない裁判所は国民の非難の的になるのでは」と切り捨てた。

  日本共産党の菅原則勝県委員長は「解明すべき問題がたくさんある。いよいよ国会の役割は大きい。真相を解明し、政治的、道義的責任を明らかにする必要がある。小沢氏は今こそ証人喚問に応じるべきだ」と断じた。

  社民党県連の伊澤昌弘代表は、無罪判決ながら、元秘書の虚偽記載や小沢氏への報告を認定したこと、検察審査会の起訴自体を有効としたことは「大きな意義がある」と評価。「国民の信頼を取り戻すためにも企業・団体の政治献金廃止を含む政治資金規正法の抜本的改正を行うよう求めていく」とした。

  地域政党いわての飯沢匡代表は「無罪判決となったが、虚偽の記載事実を一部認めた内容もあり不透明な印象」とコメント。「被災地はいまだ、苦しみの最中。政局よりも東日本大震災からの創造的復興に向けたスピードを上げるよう集中してほしい」と注文した。

  小沢氏の無罪判決について達増知事は「政権交代の原点に立ち帰り、新しい政治が進められる」と歓迎。裁判所が検察の暴走を止め、押し戻した」と述べ、検察の捜査方法などの検証の必要性を強調した。

  「政府与党の中で、検察の暴走に荷担する動きと消費税増税、TPP推進はセットで進められていた」とし、生活を優先する本来の政策に戻れば震災復興も進むと期待。国民の半数以上が消費税増税に反対している中、小沢総理誕生を望んだ。

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