盛岡タイムス Web News 2012年 5月 1日 (火)

       

■ 〈わが歳時記〉5月 高橋爾郎

 皐月(さつき)5月、桜花爛漫(らんまん)のときを過ぎるとまぶしいばかりに若葉そよぐ新緑の季節となる。1日は八十八夜、3日は憲法記念日、4日はみどりの日、5日は立夏、こどもの日、端午の節句、21日は陽気さかんにして万物ようやく長じ満つる小満だ。

  カレンダーを見ると「世界赤十字デー」「世界禁煙デー」とか「愛鳥週間」とか、さまざまあるが5月12日が「看護の日」というのをいままで知らなかった。「国民だれもが健やかで安心して暮らしていける長寿社会をつくってゆくために、ひとりひとりが、心のこもった看護やお年寄りの世話について理解を深めてゆく日」という。高齢の部に入ったぼくだが知らなかった。恥ずかしいことである。

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  4月から始まったJRの「いわてデスティネーションキャンペーン」も大型連休を迎えていよいよ本番だ。東北新幹線の売れゆきも上々らしい。県内各地でいろいろと多彩な催し物がある。なかでも呼びものは平泉の「源義経公東下り行列」(3日)と盛岡ではじめて開かれる「東北六魂祭」(26、27日)であろう。六魂祭は盛岡さんさ、青森ねぶた、仙台七夕、秋田竿灯(かんとう)、山形花笠、福島わらじの東北六大まつりパレードで、地元盛岡は秋まつりの山車も参加し、総勢約1400人が中央通りを練り歩くそうだ。中津川の河川敷ではチャグチャグ馬コが観光客を迎えるという。さぞにぎわうことだろう。当日はお天気が良くなってくれるよう、ぼくも祈っている。

  祭りといえば、花巻市東和町成島の三熊野神社で「毘沙門まつり全国泣き相撲大会」(4〜6日)が行われる。矢巾に住む女の子のひ孫がこの大会に出場するという。評判がよく全国からの出場希望が多くてひ孫は5日出場なそうだ。さて当日は「はっけよいよい」泣くのだろうか、笑うのだろうか。いまから楽しみにしている。

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  庭のそちこちに山野草が咲きはじめた。福寿草はもう終わった。いま節分草、大三角(おおみすみ)草、東一花(あずまいちげ)、菊咲(きくさき)一花、姫一花、二輪草などが、かれんな花を咲かせている。これからは錨(いかり)草、稚児百合、敦盛草、熊谷草、白根あおいなどに移っていく。作歌や書きものに疲れたときには、かがみ込んで眺めるのが楽しい。花畑の方はとりどりの水仙が満開である。こころを和ませ、励ましてくれる「まことに花はよきかな」である。

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五月の日輪はゆたかにかがやき/五月の雨はみどりに降りそそいで/野に/まんまんたる気魄はこもる/肉体のやうな土壌は/あたたかに、ふくよかに/まろく、うづたかく、ひろびろと/無限の重量を泡だたせて/盛り上り、もり上り/遠く地平に波をうねらす/あらゆる種子をつつみはぐくみ/虫けらを呼びさまし/悪しきもの善きものの差別をたち/天然の律にしたがつて|「五月の土壌」 
高村光太郎

 (歌誌編集者)



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