盛岡タイムス Web News 2012年 5月 5日 (土)

       

■ 学官民で理想の町に 雫石町と早稲田大が総合計画推進プロジェクト

     
  若者の目線で雫石町のまちづくりを提案した早稲田大学の学生  
  若者の目線で雫石町のまちづくりを提案した早稲田大学の学生  
  雫石町は2011年度から早稲田大学都市・地域研究所(佐藤滋所長)と町総合計画推進モデルプロジェクトを立ち上げ、環境、教育、医療、福祉、産業の各分野で町の持続的発展を図るためのまちづくりを共同研究している。今回は本格的な研究開始を前に演習として、同大創造理工学部建築学科の学生??人が「雫石町の将来を考える」をテーマに、若者の目線で都市計画・まちづくりを提案した。

  学生は4月29日から5月2日まで町内で調査。8グループに分れて地域の歴史、自然、社会条件などを分析した。

  地域住民の声に耳を傾けながら▽水のネットワーク▽雫石の新しい風景▽被災地支援▽地域資源のネットワーク▽住み方暮らし方▽食育・食文化−などに着目した都市計画を策定。2日行われた公開発表会で住民や役場職員の前で提案した。

  津田拡斗さん(22)のグループは、同町は国道46号など東西のインフラが整備される一方で南北のつながりが薄いことに着目。南北に流れる川や水路など水でつなぐまちづくりを策定。人が歩けるような遊歩道を川や用水路に沿って設置することで、植物や歴史、商業などさまざまな魅力を周遊できるようにすることを提案した。

  現在は未活用の14fの町有地に着目し、居住地や働く場などを提供する被災者と雫石町民の相互補助による被災者支援計画を提案したグループもあった。

  被災者自立支援プログラムとして被災者が同町の農畜産を手伝うことで技術の習得と町民とのコミュニケーション、同町への定住、被災地に戻った際の雇用、未利用農地の活用などにつなげる。

  同グループの塩塚勇二郎さん(21)は「雫石の部分部分というよりはもっと大きな社会的問題として震災も都市計画を学ぶ一人として考えていくことが大事だと思った。雫石の良さというものを僕たちはおもしろい、珍しいと思うが、町の人は意外に意識していない。外から見たからこそ分かる何かがあると思う」と話した。

  同プロジェクトでは緊急性や実現可能性が高く波及効果が期待できるプロジェクトを優先的に立ち上げる。それらを互いに連携させながら展開していくプロジェクト先導方式で共同研究を実施。最終的に雫石の環境を守り育て、豊かな暮らしが町全体に広がっていくような自立的な地域運営システムを構築する。

  12年度は調査研究・構想の確定、13年度以降に計画策定とプロジェクトの実現を並列的に進め、15年度を目途に第1期プロジェクトを完成させる。

  佐藤所長は「学生たちは今の時代が持っている厳しい状況、難しい問題などを掘り下げてきたと思う 。ビジョン先行ではなく、ある課題を正直に掘り起こしていくことが大切。雫石町には大きな可能性と今持っている資源がある。何でもコンパクトに集めればいいというわけではなく、山と水と美しい資源が融合したような町のあり方を考えていかなければ」と話す。地域の持つ特徴や資源を生かしたまちづくりを目指したいという。

  深谷政光町長は「今年度限りではなく、最低でも10年計画として雫石町総合計画の本質的なあり方を完成させるためのまちづくりの基本にする。本当のシンクタンクと共同研究しないと町の有識者だけではできない。これがスタートで、幸いにも今回は学生の若いユニークな発想でこれだけのことを発表してくれた。総体として集約し、まちづくりに発展させたい」と話した。 

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