盛岡タイムス Web News 2012年 5月 9日 (水)

       

■ ドクターヘリ発進 きのうから本格運航 救命救急医療の向上に期待

     
  関係者が見守る中、矢巾町のヘリポートを離陸するドクターヘリ  
 

関係者が見守る中、矢巾町のヘリポートを離陸するドクターヘリ

 

 本県の緊急搬送用ドクターヘリの本格運航が8日から始まった。全国で35機目。広大な県土を抱える本県の救命救急医療の向上が期待される。同日は矢巾町藤沢の岩手医科大学附属病院ドクターヘリ基地ヘリポートで、運航開始セレモニーが開かれ、関係者約60人が安全運航を願った。

 達増知事や小川彰同大理事長らがドクターヘリの前でテープカット。達増知事は「救命率の向上や後遺症の低減に大きな効果が期待できる。関係機関と一層の連携を図り、安全かつ円滑な運航を進めたい」とあいさつ。小川彰同大理事長も「ドクターヘリは空飛ぶ救命室。迅速な対応で岩手の救急医療の発展に貢献していきたい」と決意を新たにした。

 ドクターヘリは専門の医療機器などを搭載した救急搬送専用のヘリ。県内各地へほぼ30分以内で移動できる。救急救命を専門とする同大附属病院の医師、看護師が交代で各一人ずつ搭乗。治療を施しながら患者を搬送できる。

 ヘリは消防の要請を受けて矢巾町の基地から出発。患者を搬送する救急車と県内各地のランデブーポイント(離着陸点)で合流し、患者を引き継いだあと、病院へ向かう。受け入れ病院は県内9医療圏の中核病院など11カ所。ランデブーポイントは河川敷や学校グラウンドなど563カ所を確保した。

     
  患者を乗せたストレッチャーが出し入れされるドクターヘリの後部  
  患者を乗せたストレッチャーが出し入れされるドクターヘリの後部  

 有視界飛行のため、悪天候の場合や夜間は運航できない。出動要請が重なった場合の対応や既にヘリ運航を開始している青森、秋田など隣接県との連携が今後の課題だ。ヘリポートを有する受け入れ病院も現在は磐井、中部、二戸の3県立病院のみ(大船渡、久慈は今年度内に完成予定)で整備が急がれる。同大は2018年度をめどに、矢巾町に附属病院を移転する計画で、救命救急センターがヘリ基地に隣接すれば、さらに効果は上がるとしている。

 フライトドクターで県高度救命救急センターの山田裕彦講師は「ヘリの機動力で、医療の地域格差はかなり解消されるはず。本県の救命救急医療の新たな一歩。一人でも多くの命が救えるよう頑張りたい」と話す。救急看護認定看護師の齊藤麻知子さん(39)も「津波もあり沿岸地域の医療状況はまだまだ厳しい。適切な医療機関に搬送することで救われる命が増えてほしい。ヘリの業務に携われることを誇りに思う」と気持ちを引き締めた。

 8日の出動要請はなかった。


 

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