盛岡タイムス Web News 2012年 8月  8日 (水)

       

■  〈食べられる草木の花版画集〉18 八重樫光行 ウバユリ

     
   
     
  広島から戦争中、岩手の父母の実家に疎開してきた。山野の自然の中を歩くのが楽しく、動植物を見てノートにスケッチして方言名を聞き、書き込んで遊んでいた。

  真っすぐと長く伸びて、葉がないのにユリの花をたくさん付けた大きな植物に驚き、祖母に尋ねた。

  ウバユリの根をいろりの火灰に埋め込んで焼いてくれたのを食べた。なぜ葉がないかを聞くと、「花の咲く方が男で、女の方が葉だけで芋がある」と、掘りながら教えてくれた。しょうゆで煮てくれた。おいしいと思った。

  芋をすり下ろして干して粉にしたのを煉(ね)って小さく丸めて、小豆団子にしてくれた。「こんなうまいものが」と思ったのは、昔の思い出である。これらの食物は大切に残したいものだと思うが…。




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