盛岡タイムス Web News 2012年 9月 22日 (土)

       

■  空き家バンク創設へ 松園で14年度まで実験 12月から盛岡市 全市的対応も検討

 盛岡市は、市内の空き家や空き地を住み替えなどで有効活用する仮称空き家等バンク制度を12月から始める考え。松園ニュータウンを対象に2014年度末まで社会実験として行う。町内会や地元NPO団体から空き家の情報を収集し、市が所有者の意向や活用調査などをして物件を登録。同時に移住や住み替えで戸建て住宅を希望する市民も利用者登録し、情報提供する。市は検証を通じ全市的対応も今後検討する。

 市によると、県の08年度住宅土地統計調査で市内の空き家は1万9480戸あり、うち戸建て住宅が5160戸を占める。残りはアパートなど共同住宅で空き室が1室あれば空き家とカウントされている。松園地区には約100戸の空き家があるという。

  空き家バンク制度の指定都市は8月2日現在、市町村やNPO団体など全国191団体ある。定住促進、まちなか再生を目的に、子育て世帯が賃貸する場合の家賃補助や住宅購入時の固定資産税相当額の奨励金交付なども支援している。

  市は郊外住宅地における空き家に関する情報提供をし、空き家の有効活用を通じて、住み替えによる住環境改善・地域活性化を図るのが目的。社会実験を通じて14年度末に検証。地域の拡大や期間延長を検討する。

  空き家については、住み替えの有効活用だけでなく、所有者が不明や遠方にいて連絡が取れず草木が伸び放題だったり、廃屋化したりするなど住環境や治安上の問題もある。所有者不明の空き家でも勝手に撤去できず、道路拡幅工事に支障を来す事例も市議会で取り沙汰された。

  制度では市が地元の協力で物件、利用希望者それぞれの登録による情報の収集・提供、現地確認や違反の有無など法規制を確認。実際に住み替えを希望する場合は、県宅地建物取引業協会が賃貸・売買契約を仲介する。

  空き家対策については市議会6月定例会で多くの議員が取り上げた。9月定例会でも豊村徹也氏(創盛会)が地域の切実な課題として対策を講じるよう求めた。神部伸也氏(共産)は公的家賃補助制度を採用して公営住宅と同等に低所得者へ供給するよう提案した。

  豊村氏は「廃屋で危険な状態になっている空き家が市民に非常に迷惑をかけている。情報を一元化するだけでなく市が買い取るとか、踏み込んだ対策をしないと問題は広がる」などと訴えた。

  藤島裕久都市整備部長は「空き家問題が全市的に事例・状況のあることは十分認識している。どうしても私有財産に関する部分があるので、市としても一つずつ事例を重ねながら、その上で全市的対応を考えていきたい」と理解を求めた。

  市は部署横断的な組織でバンク制度を運用。事務局は都市整備部都市計画課に設置される。


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