盛岡タイムス Web News 2012年 9月 26日 (水)

       

■ 専門生かし被災企業の復興支援 いわてデザインネットワーク・ボランティア設立

     
   山田町のびはんコーポレーションの依頼でパッケージデザインに取り組む岩手大3年の色摩ゆう子さん  
   山田町のびはんコーポレーションの依頼でパッケージデザインに取り組む岩手大3年の色摩ゆう子さん
 

 岩手大学(藤井克己学長)と県立産業技術短期大学校(馬場守校長)、盛岡情報ビジネス専門学校(沖田岑夫校長)、県工業技術センター(阿部健理事長)が連携し「いわてデザインネットワーク・ボランティア」(i―DNet)を設立した。大学や専門学校でデザインを教える教員、学生らが協力。東日本大震災の被災企業などに商品デザインやブランディングのアイデアを無償提供することで復興を支援する。取り組みにボランティアで協力するプロのデザイナーらも広く募集している。

  震災から1年半が経過し、沿岸被災地でも復興に向け、新商品の開発や既存商品のリニューアルなどが相次ぐ。デザインに携わる地元の教員や学生が、プロの力も借りながら専門分野で復興に貢献しようと、ネットワークを立ち上げた。

  被災した企業や団体から、商品パッケージや広告などデザインに関する相談を受け付け、ネットワーク全体で情報共有。ニーズに応えられるメンバーとのマッチングを図り、デザイン制作を無償で行う。対応が可能な案件であれば、工業・工芸製品の意匠、設計、図案、モデル製作、商品全体のブランディングなどの相談にも乗る。地元企業とデザイン業界がつながるきっかけにし、学生の育成・就業機会にするなど長期的な地域産業支援も狙った。

  デザインは基本的に学生が研究などの一環として取り組み、教員やプロが助言。逆に専門性が高い課題はプロが中心になって取り組み、学生が企業との調整役を果たすことも想定している。

  デザイン関連の民間事業者を圧迫することがないよう、対象は震災津波で大きな被害を受けた県内企業などに限り、実際に支援の対象とするかは、相談があった時点でネットワーク内で話し合って決めることにした。

  ネットワークに参加する大学などでは、既に沿岸の企業や組合からの依頼で、学生たちがデザイン支援を始めている。

  このうち、岩手大学教育学部芸術文化課程3年の色摩ゆう子さん(21)は、山田町のびはんコーポレーションの依頼を受け、「山田の醤油」の新たなパッケージのデザインを作成中。山田町の特産品を全国発信したいという同社の希望に応え、さまざまな商品に使い回せる「やまだ」のロゴデザインも手がける。

  「デザインで被災地に貢献できるなら、うれしい。責任も重いができる限り頑張りたい」と色摩さん。同社の間瀬慶蔵専務取締役も「被災しており、資金を掛けてプロの業者に頼むのもためらいがあった。若い感性に期待したい」と話す。

  同大では、他にも沿岸地域の水産組合の依頼で学生がパッケージデザインに取り組んでいる。指導する田中隆充教授は「ニーズは想像以上にある。デザインの力で地域を支えたい。都市部に比べ、デザインに関わる教員も学生も数が少ないが、ネットワークを組むことで、自分たちの存在をアピールし貢献できれば」と語る。

  i―DNetではデザイン制作支援に協力するデザイナー、カメラマン、コピーライター、イラストレーターなど専門職のボランティアを広く募集。ネットワークを通じたデザイン支援は基本的に無償だが、事務局に、有償による通常のデザイン依頼があった場合は、ボランティア登録したデザイナーらを紹介する。

  デザイン依頼やボランティア登録に関する問い合わせは、いわてデザインネットワーク・ボランティア事務局(県工業技術センター内)へ。直通電話019―635―1119、電子メールCD0002@pref.iwate.jp


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