盛岡タイムス Web News 2012年 10月 11日 (木)

       

■ 自動車産業の裾野拡大 地場40社を重点支援へ トヨタ東日本など中心に振興 県がアクションプラン

 県の自動車関連産業振興アクションプランの概要がまとまり、11月までに成案化する。9月末に開かれた県自動車関連産業振興本部(本部長・上野善晴副知事)で了承した。トヨタ自動車東日本などを中心に、岩手の自動車産業のレベルアップを図り、裾野を広げる。2016年度までの5カ年で、次世代の自動車生産の拠点性を高める。県内40社を重点支援して部品の現地調達率を上げ、コンパクトカーと環境対応車の生産拠点を目指す。

  アクションプランは自動車産業に関わる県内の企業や大学と、自動車メーカーやサプライヤーの連携を強化し、震災復興の動きと連動して、本県の製造業を振興する。

  岩手県が東日本の地域完結型のコンパクトカー、環境対応車の開発、生産拠点の中核となり、震災復興をけん引するよう策定される。「サプライチェーンの構築支援」「研究開発の促進」「人材育成」「立地環境整備」の4つを柱に戦略を立てている。

  サプライチェーンの構築では現地調達部品の生産拡大に向け、県内40社を支援する。県商工労働観光部商工企画室の木村久課長は「トヨタ東日本、トヨタ紡織、アイシン精機など1次サプライヤーが発注する部品を製造する企業を増やしたい。メーカーでグループになることも考えられる」と話す。

  これまで孫請けだった企業を下請けに上げるなど、1次サプライヤーと地場の結びつきを強め、県内での完結性を高める。現地調達部品のニーズを把握し、マッチングを図る。県内企業のグループ化による受注体制の整備、県内企業の設備の充実などを進める。

  研究開発の促進では自動車産業に精通したプロジェクトディレクターを中心に、各大学に配置する地域連携コーディネーターが研究開発から市場化まで一貫する知的ネットワークを構築する。

  人材育成では次世代モビリティの開発、高度技術者の育成プログラムの構築、生産技術高度化研修会、カイゼン指導の取り組みの拡充、トヨタ東日本学園との連携などを図る。

  木村課長は「11月に成案をまとめるよう中身を精査し、企業の意見も聞いて固めたい。トヨタ東日本の発足やデンソーの企業立地などの流れを受けて、5年間で取り組むべきアクションプランとする」と話している。

  県は06年、知事を代表幹事とするいわて自動車産業集積促進協議会を設立し、県内企業232社を含む304団体が加盟している。

  盛岡市材木町のソフトウェア開発のジェーエフピーの漆原憲博社長は「最近は名古屋方面に仕事がある会社が多く、こちらでも自動車産業は盛んになっている。問題はどこまで東北でやってくれるのかということ」と話す。同社は大手自動車メーカー向けに要求記述分析検証ツールを開発している。漆原社長は「最近は組込ソフトの規模が大きくなり、委託者と受託者の要求仕様の把握が困難になっている」と話し、自動車部品の製造にあたっては、国際規格に合った受発注や精密性が求められている。

  漆原社長は「自動車に一番大切なのは安全性。リスクを内在する部分が大きくなると、非常に慎重にテストする必要が出てくる」と話す。

  盛岡工業クラブの長岡秀征会長は「トヨタ、デンソーが立地し、地元の技術レベルと調達率を上げるため、工業クラブとしても人材育成に力を入れたい。盛岡地域では岩手大、県立大などとともに取り組んでいきたい」と期待している。


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