盛岡タイムス Web News 2012年 10月 29日 (月)

       

■  〈幸遊記〉95 照井顕 早川泰子のオールドチャーター

 秋田市のジャズクラブ「5スポット」を中心にワールド・ワイドな活動を続けている、ピアニスト・早川泰子さんが、アルトサックスの第一人者、山田穣(44)さんを連れたってひょっこりとジョニーへ現れた。うれしい突然のサプライズにハグハグ。

  早川泰子カルテット+山田穣の2001年10月27日、ジョニーでの満員ライブの光景が頭をよぎる。その後の盛岡公演日の深夜にも、よく店に顔を出してくれて、山田さんと演奏をプレゼントしてくれたことも何度かあったが、ある日の二人が演奏した音楽は、僕の心の奥深くに鮮明に刻み込まれ、生涯忘れないであろう、大切なシーンの一つになっている。

  その二人のデュオアルバム「オールド・チャーター」が2012年11月22日に全国一斉発売されるというから、楽しみです。二人の演奏に共通することは、聴いてる人々の胸の深い所にまでしみ込み、頭では考えられない幸福感を伴う、濃厚な一瞬を作り出してくれるところにあると言っていい。

  彼女は北海道の伊達紋別生まれ。道庁職員だった父が交通事故で亡くなり、中学校の時から母の故郷、秋田市へ。聴いた音はすぐに何でも弾けるほど好きだったピアノに夢中になり聖霊女子短大音楽科へと進んだ。毎日8時間も練習すると、曲は完全に自分のものになり、演奏を変えたくなるのだったという。その変え方がジャズへと向かわせたのだが、ジャズにたどり着くまでには、あらゆるジャンルの音楽を演奏したのだとも。

  そして知り合った「5スポット」のマスターと結婚。ジャズレコードからバップスタイルのピアノを徹底コピーし、演奏者それぞれの考え方を知ったうえで、自分なりの個性を磨いた。「日本の10本ではなく、ニューヨークで認められなければダメ」と「自分の師匠だった故・大野肇(三平)氏から言われた言葉を頭に置き続けてきて、今があるの」と、彼女。

  バリー・ハリス、レイ・ブライアント、ケニー・バロンら一流ピアニストたちの前で演奏するチャンスも多々あった。NHK・FM「セッション505」には最多?の6度。山田穣さんとは5度出演している名コンビ。互いの心はまさに!オールドチャーターそのものなのだ。
(開運橋のジョニー店主)


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