盛岡タイムス Web News 2012年 12月 14日 (金)

       

■  被災地の味と技に視線 首都圏企業が集まる 盛岡でコラボ商談会 岩手から117者参加

     
  被災地と首都圏などの企業のニーズマッチングを目的に実施された商談会  
  被災地と首都圏などの企業のニーズマッチングを目的に実施された商談会
 

 東日本大震災津波の被災地の中小企業と首都圏などの企業が商談を進める被災地企業コラボレーション商談会(東京都中小企業振興公社主催)が13日、盛岡市内のホテルで開かれた。本県の117社(沿岸地域14社)をはじめ、宮城、福島両県を合わせ計163社が参加。首都圏の発注企業77社と面談形式による商談を行い、取引先の拡大につなげた。

  同商談会は昨年12月に続き2回目の開催。昨年は発注企業の参加は、機械加工が中心だった。震災から1年9カ月が経過し、被災地では水産業などを中心に食品加工関係が回復してきた。こうしたことから受注業者などの要望もあり、今回の商談会には食品関係の発注業者も初めて参加した。

  商談は20分の時間の中で、事前に指名した企業との個別面談形式で実施。発注企業の各ブースには、被災地の受注業者が訪れ、パンフレットや試作品などを手に自社の技術や製品をPRしていた。

  金属機械加工を手がける釜石市鵜住居町のエムテックは、海から約300bにあった会社が基礎部分を残して全壊。現在は仮設企業団地で操業する。久保勝代表取締役は「震災後はものづくりができないので、古いアパートを借りてお客さんとの電話連絡や今まで受けていた仕事でできるものをほかに頼んで仕事をつなぐ対応をしてきた。具体的に発注企業を探して商談をさせてもらえる機会は非常にありがたい」と新たな企業と商談の機会を歓迎した。

  本店と和菓子工場が被災した大船渡赤崎町の鴎の玉子も初参加した。佐藤勘一営業部長は「震災からまもなく2年目になるが、私どもはもともと関東方面にルートがあったので、おかげさまでたくさんの注文をいただいた。ありがたく思っている。以前から取り引きしている会社に、今後も安定供給ができる形で続けさせていただきたいと話した。これから地元でやっていくには、なかなか売り上げも伸びないときに、こうやって企画してもらえると道も開ける」と話した。

  東北ならではの特徴ある加工食品などを求め参加した伊藤忠食品(東京都)の担当者は「もちろん被災地ということもあるが、もともと素材のいいものを持っているエリアだと思うので純粋にいいものを探しにきた。仮に同じようなもので、他県であれば、被災地をという思いはある。うまくマッチングできれば」と新たな取り引きにつながることを期待した。

  昨年の商談会には、54社の発注企業が参加。今年8月末時点の商談成立は27件、成約金額は約8800万円となっている。参加企業による試作依頼や見積もり依頼、技術協力など何らかの進展が見られたものを合わせると350件を超える。

  同公社の松田曉史専務理事は「被災地域の中小企業の状況はいまだ回復していないのが現状。長期的な視点に立ってお付き合いができる取引関係が一つでもこの場から生み出されることを願っている。公社としても商談会終了後のきめ細かいフォローアップを通じ、本日の出会いをより強固なものにできるよう手伝いたい」と話した。


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