盛岡タイムス Web News 2012年 12月 19日 (水)

       

■  衆院選〈岩手の民意─下したもの 求めるもの(上)〉2区 第3戦は鈴木氏(自民)に軍配 被災地復興と歩む4年間 畑氏(未来)復活当選で代弁者2人

 16日に執行された衆院選。岩手では小選挙区が自民1、民主2、未来1と議席を分け合い、比例で重複候補の自民3人、未来1人が復活当選した。3年4カ月前の前回選は5人の県人国会議員を送り込んだが、今回はそれを上回る。しかも前回は自民が唯一残っていた議席を失い、民主が議席を独占、全国の政権交代とともに岩手では「小沢王国」が完成した歴史的な選挙結果だった。はたして今回はどうか。国会議員の顔ぶれは3党に広がった。二大政党制を志向した小選挙区制度の中で、多様な民意を吸い上げる機会が広がったといえるかもしれない。一方、東日本大震災津波で被災し、復旧・復興の途上で国の支援が不可欠な中、政権の枠組みを決める今選挙の本県における投票率は61・68%で前回を11・73ポイントも下回った。師走選挙という時期的な要因もあったろうが、政権交代後の政治不信の広がり、選挙直前に加速した第三極を唱えた離党、解党、立党、合流という離合集散に戸惑い、民意を託す先に悩み、あるいは諦めから棄権した民意も少なくなかったのではないか。今選挙で民意が投票で下したもの、当選者に求めるものを岩手1区と2区から探る。(衆院選本紙取材班)

     
  小選挙区で雪辱の勝利を収め笑顔の鈴木俊一氏(16日夜)  
  小選挙区で雪辱の勝利を収め笑顔の鈴木俊一氏(16日夜)  


 岩手2区は、全国的な追い風を受けて自民元職の鈴木俊一氏(59)が小選挙区の議席を獲得、再選を目指した未来前職の畑浩治氏(49)は比例で復活当選し、2人の国会議員が誕生した。鈴木氏は山田町、畑氏は久慈市と、共に昨年の震災で被災した市町村に在住する。

  前回選挙からの3年4カ月、鈴木氏は議員という肩書きなしで地域を歩いた。「有権者との距離がすごく縮まった。現職の時は先方にもちょっと遠慮があり、思っていることの7割くらいしか言わないことがあったが、落選してみれば120%言われる」。改めて住民の声を間近で聞き、震災後は人脈を頼って漁船の確保や造船所誘致に奔走した。

     
  比例代表復活当選で未来の貴重な議席を得た畑浩治氏(17日未明)  
  比例代表復活当選で未来の貴重な議席を得た畑浩治氏(17日未明)  


  現職の畑氏は、国土交通省出身という肩書きを生かし、国政の場から地域を考えてきた。「復興の街づくり制度の立案や命を守る道である三陸沿岸道などの整備に打ち込み、道筋を付けてきた」。被災地代表の国会議員という自負もあり、民主党時代は政策担当者として復興特区、復興交付金、復興庁法案などの立案に携わってきた。

  これからの任期は2人とも、被災地の復興とともに歩むことになる。当選後の取材では、鈴木氏、畑氏ともに言葉は違えども、第一にやらなければならないことに震災からの復興を挙げた。

  鈴木氏は「重要なのは生活の再建。自前で家を再建できる方もいるが、それは限られた方で、大部分は古里に住み続けようと思えば公営住宅をきちんと整備しなければならない。本当に時間との競争。加速度的に復興に取り組んでいかなければ」と話す。

  畑氏は「被災地の復興がなければ日本の未来はあり得ない。難しいのは街づくり、住宅の再建。仮設住宅の方が2度目の年を越すわけで大変不安な思いをしている。地域の事情に応じたきめ細かい支援ができるよう、地域に寄り添った制度を作りたい」と話す。

  被災者にとって、復興を進めるのに党派は関係ない。被災地の復興のために尽力できる国会議員が地域に2人いることは何とも心強い。ノーサイドの笛が吹かれた今、共にスクラムを組んで復興にあたり、民意に応えなければならない。次の選挙は、その成果が審判の材料になる。
(泉山圭)


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