盛岡タイムス Web News 2013年  1月  1日 (火)

       

■  復興にかける岩手の技 ものづくりで再生、発展を ILC、自動車産業でけん引

     
   全国のものづくりを支える岩手の製造業(盛岡市玉山区カガヤ)  
   全国のものづくりを支える岩手の製造業(盛岡市玉山区カガヤ)
 

 本県産業は長らく農林漁業の1次産業を主体に発展してきた。1980年代から北上盆地を中心に機械、電機などの製造業が進出し、工業製品の出荷額が年々増加。バブル崩壊後は誘致企業の撤退などが相次ぎ、厳しい情勢に置かれた。近年になって自動車産業の集積が高まり、岩手発のハイブリットカーが好調な売れ行きを見せている。さらに今年は国際リニアコライダーの国内候補地が一本化され、本県への誘致実現が東北経済の起爆剤として産学官の期待を集めている。先端産業の発展が期待される一方で、南部鉄器やこけしなどの伝統工芸は新境地を開拓。新旧の技がクロスする岩手の工業が、復興の原動力となる。

  県は復興の柱の一つに製造業の振興を挙げており、内陸の工業地帯と沿岸の事業所再建を両輪に、本県工業の振興を目指している。内陸部では自動車を工業製品の目玉に位置付け、自動車関連産業振興アクションプランをまとめている。

  自動車産業は日米独が世界の大半のシェアを占め、わが国経済の基幹産業となっている。岩手、宮城を拠点にトヨタを核とする企業立地が進み、地元企業の参入や商機が拡大し、本県の製造業に新たなビジネスチャンスが生まれている。

  今年夏にも国内候補地が一本化される国際リニアコライダーは、岩手に産業の「ビッグバン」をもたらすと期待される。これまで本県と佐賀県が誘致を運動してきた。現在は東大を中心とする物理学界が、両県の産官と呼応する形で日本への誘致を運動している。

  リニアコライダーの巨大加速器の建設、製造、稼働には高い精度と信頼性を備えた機器が求められる。その製作には極めて高い工業水準が求められ、技術的挑戦が最先端のテクノロジーを生み出すとされる。目的は素粒子物理学における宇宙の起源の解明にあるが、派生して新たな製品の開発や技術への応用が期待されている。

  県政策地域部政策推進室の保和衛政策監兼ILC推進監は「国内の研究者から東北と九州のうちから一本化したいと言われている。それから国が誘致を表明することになる。米国やスイスも考えられているので、日本政府に意欲を示してほしい。リニアコライダーには非常なインパクトがあり、産業経済に与える影響は大きい。建設工事や装置の製造にも、最先端の技術が必要になる」と話し、本県産業への波及を期待する。


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