盛岡タイムス Web News 2013年  2月  4日 (月)

       

■ 〈幸遊記〉109 照井顕 小泉とし夫の復興電子書籍

 「82歳の朝とエリーゼのために」という小泉とし夫さんの歌集が、岩手復興書店から電子書籍として発売になった。いわゆるパソコンやタブレット、アイフォーンなどで買い、ダウンロードして読んだりするデジタル本。500円+税なのです。ダウンロードが難しいという方には、CD版の書籍も同時発売になっており、直接パソコンなどに取り込んで観れるこちらは800円+税。

  中味は小泉とし夫さんが創作した口語短歌を、右利きの僕があえて自由の利かない左手に毛筆を持って書いた「書」の籍。自由が利かない分、書は自分の意志というよりも、歌の力によって書かされているという感じ。

  第1章「赤いベレー」に始まり「エリーゼのために」「むずがゆい春」「ツユクサのブルース」「渡りの季節」「しんしんと雪が降る」「今日も暑いぞ」「木枯らし紋次郎」「ソネット風/バラとの対話」「こいわい・四季の手帖。春、夏、秋、冬」「穐吉敏子の世界を詩う」の14章からなる百数十首の作品が収められていますが、それぞれの章ごとに全部書体が違っていて、自分で言うのも何ですが、なかなかに良い出来。とはいえ第1章の第1首「走り去る車にまかれからからとわらうほかない団塊落ち葉」まさにそのとおりの1947(昭和22)年生まれ団塊世代の僕。ちなみにこの作品は、2006年6月盛岡市立図書館で開催していただいた「短歌DE書展」小泉とし夫・詩、照井顕・書の全作品に最終章をプラスしたもの。

  小泉氏は1949年創刊の県内で最も歴史ある「北宴」文学会の現編集長。本紙盛岡タイムスには本名の岡澤敏男名で「賢治の置土産」を連載中。以前連載の「賢治歩行詩考・長編詩小岩井農場≠フ原風景」(未知谷刊)で2006年、宮澤賢治奨励賞を受賞した。1927(昭和2)年盛岡市生まれの85歳。盛岡農林専門学校獣医畜産科(現・岩手大農学部)卒。釜石の高校で6年教べんを取り、最後は、小岩井農場展示資料館長を97年まで務めた。彼は詩人の故村上昭夫の同級生でもあり、昭夫の肖像研究については、最終編を書くにあたり、どうしても満州(現・中国)へ行って見聞しなくてはと、ロトくじで旅費の当たるのを待っている日々。
(カフェジャズ開運橋ジョニー店主)


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