盛岡タイムス Web News 2013年  2月  8日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉136「すごい食文化に感動」草野悟

     
   
     

 わたくし、62歳。結構経験も積んできたと自負しておりますが、世の中、まだまだ未知なるものがわんさかとあり、私めの美味探究など、ほんの数パーセントくらいと思い知らされました。岩手国際美味探究会会長(会員1人)としましては、さらなる精進に励むため、あちこち食べ歩き放浪の旅に出なければと、奥の細道の心境に到達した次第であります。

  先日、かなりお年を召した古い大先輩たちと新年会を直利庵で行いました。すでに20年も続いているK会(後期高齢者の会ではなく神田会)で、三陸海の博覧会の重鎮たちに直利庵おかみの裕子さんも加わる会です。当然、一番下っ端(若年)の私は、介護よろしく皆様のお世話係に徹します。その酒席に登場したのが写真の代物です。

  右は皆様おなじみの郷土食「みの干し南蛮」です。で、左はと言いますと、これが未知の天ぷらです。つまり「みの干し南蛮」を天ぷらにしたもので、なんとも言えぬ滋味あふれる爽やかな味覚に、春眠のようにしばし、まひ状態になりました。かんだ切り口は、ニンジンの赤が鮮やかに輝きます。サクッとした衣と口の中で混じり合うと、素朴の中の豪華、質素な料理なのに華やか。直利庵の大将洋さんの腕に感動です。私のこの大きな感激をよそに、古い大先輩たちは感動のかけらも無く、昔の話に盛り上がっております。その記憶のすごいこと、いつもながら「老化現象」とかけ離れた古い大先輩たちに感心です。ただ毎年同じ話が半分ほど交じります。それでも謙虚な私は、毎年初めて聞いたようにうなずきます。そこが大事なのです。それにしてもボスの神田隆さん、中村光紀さん、佐々木篁さん、そして小西隆昭さん、裕子さんの記憶はまるで国民大百科事典そのものです。そんなこんなで、新しい料理と古い大先輩たち、妙味をしっかり味わいました。来年の新年会まで、どうぞご無事でお過ごしくださいませ。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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