盛岡タイムス Web News 2013年  2月 20日 (水)

       

■  〈草木の実の版画集〉21 八重樫光行 キササゲ

     
   
     

 帰化植物が日本の風土に合って増えすぎて、どこに行っても見られる種類が数多くあるが、茶席の6月の花になっている一つにキササゲがある。万葉時代に中国から渡った薬木。利尿効果があり、腎臓の良薬。若い莢(さや)は食用になる。

  帰化植物は良いものと悪いものがあって、ヒメオドリコソウなどに並んで悪いものの一つに岩手国体が開催された折に中津川河川敷にブルドーザーで平らにして植えた外国の芝。現在、川下、北上川一帯に増え、河川敷が荒れ、外来の芝というより、背丈の高い草になり、在来の草に覆いかぶさり、美しい日本の草が追いやられた。

  盛岡の中津川に架かる与の字橋右岸に工業指導所があった。2階が美術学校で、中津川を眼下に望め、橋のたもとにわんこ屋、番屋があり、岩山が見えた。河原の石垣ぎわに1本のキササゲがあって、そばのように長い莢が垂れ下がり、おなかが空いた学生の私は、わんこ屋のそばに見えて困ったことをキササゲを見てふと思い出すことがある。

 


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