盛岡タイムス Web News 2013年  3月 3日 (日)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉31 菅森幸一 おんちゃん

     
   
     

 下水が完備しハンドル操作だけで糞(ふん)尿が処理される今の君たちには想像もつくまいが、当時はたまった糞尿を近郷の農家の人がくみ取りに来たんだ。

  今のように化学肥料が使われるようになったのはかなり後のことであり、糞尿は農作物を育てるためには欠くことのできない大切なもので、農家の人は何軒かのお得意さんを持っていて、適当な期間をおいてくみ取りに来訪し、お礼に季節の野菜などを持ってきてくれた。

  たまった糞尿の処理に頭を痛めることもなく、むしろ自分の家の畑に肥料として使ってしまって量が少なくなり申し訳ないとおわびをする珍風景もあった。

  ジジは家に来るくみ取りのおじさんを「ウンコのオンチャン」と呼んでいた。オンチャンは軍隊で軍曹だったとか、とても物知りでいろんな事を教えてくれたり、悪いことは悪いと近所の悪童たちを指導してくれたりもした。ジジはオンチャンをとても尊敬していた。

  だが、帰った後、くみ取り口付近に糞尿の残骸(ざんがい)が散らばっており、この掃除にかり出されるのには大いに閉口したもんだったよ。
 


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