盛岡タイムス Web News 2013年  3月10日 (日)

       

■ あの日から2年 東日本大震災 被災地支援を続けるために 岩手大公認ボランティアもりもり☆岩手 神嵜さんと福井さん 「沿岸の人に会いに行く」

     
   
  「もりもり☆岩手」前代表の神嵜さん(左)と現代表の福井さん 
 

 岩手大公認ボランティア「もりもり☆岩手」は農学部共生環境課程の学生らの組織。東日本大震災津波で大きな被害を受けた陸前高田市で支援を続けている。息の長い支援を続けるためにメンバー確保と卒業・入学する学生らの活動をいかにつなげていくか。前代表で3年の神嵜紅音さん(22)は「活動ではなく人に会いに行く気持ち」、現代表で2年の福井貴也さん(20)は「楽しめることが大事」と、支援を続ける鍵を話す。

  ■直後は怖かった
  主な活動は福井さん(札幌市出身)が子どもたちの学習支援などをする「みちくさルーム」運営、神嵜さん(京都市出身)は同市復興サポートステーションの運営補助。それぞれ地元NPO法人「P@CT(パクト)」と協力している。

  福井さんは2011年9月に活動開始。教授から「子どもたちの遊び場がない」と聞き、同市のコミュニティーセンターを借りて「みちくさルーム」を開いた。広田、矢作地区などで活動する。

  神嵜さんは12年2月に初めて沿岸入り。「震災直後は被災地を見るのも現実を知るのも怖かった。今しか行けないと思って腹をくくって一歩が踏み出せた」と振り返る。

  最初は個人で支援。同市社会福祉協議会の災害ボランティアセンター運営を手伝い、震災直後から支援に入っていた「もりもり☆岩手」と出合う。センターは同12月下旬閉鎖され、市外のボランティア窓口として1月開設したサポステでの活動が始まった。

  ■メンバーを増やす
  活動は細々と続いた。福井さんの参加以前は、実質初期メンバー2人による個人の活動中心だった時期もあった。その2人が「もりもり☆岩手」の看板を降ろさなかった。昨年夏ごろから再び学生が集まり始めた。

  それでも人手が足りない。メーリングリストの登録者数は現在25人。みちくさルームは福井さんら数人で活動する一方、サポステは神嵜さん1人の場合か、日によって1、2人が同行する。

  「朝早く出発し、帰りも遅くて敬遠されがち。1人で活動してきたので、もっとアピールして仲間を増やしておけば良かった」と神嵜さん。

  「運営補助は裏方。経験する機会が少なく面白いので、みんなを引っ張り込みたい。掃除や訪れるボランティアの応対が主で、週末には他県から大勢の人が訪れる。受け入れ体制がしっかりしていればボランティアも入りやすい」。
  福井さんはメンバー確保へ、新年度に1年生の加入呼び掛けへ意気込む。

  ■意識しすぎない
  みちくさルームは、子どもを通じて地元の高齢者や大人を元気にさせる。現地に行けば被災者同士で言えないことを、話しかけられることもある。

  福井さんが活動の話をすると「行ってみようかな」という人もいて、手応えがある。一方で現地行きをためらう声も聞く。楽しんで良いのか、被災者とどう接するか…。福井さんは「楽しくないとしんどくなる。明るい方が良い」と考える。

  神嵜さんは「意識しすぎると、被災者も申し訳ない、援助されていると感じる。自分はボランティアという感覚がない。高田へ人に会いに行くという気持ち。長期化して気持ちが冷めていく中、どうやって志気を上げていくか」と説く。

  陸前高田では現在も側溝が開いたままで危険な場所が多く、泥出しなどの支援が引き続き必要だ。福井さんは「まだ2年なのに(県外では)ほとんど報道されなくなっていて、もう家が建っているんじゃないかと思われている」と、関心の低下を懸念する。

  神嵜さんは京都に帰った時は、震災が終わっていないこと、被災地の今を家族らに伝えている。被災地では聞き役になり「自分たちはそれを(外へ)発信する役目なのかな」。


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