盛岡タイムス Web News 2013年  3月 16日 (土)

       

■ 貿易自由化に不安と期待 首相のTPP交渉参加表明 農協は反対キャンペーン 経済界は消費活性化望む

 安倍総理は15日、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉に参加を表明した。米国を中心に多国間で貿易自由化を進めるTPPについては、県内でも農協、生協などが国内産業保護のため反対する一方、輸出入の活性化に期待する経済界からは歓迎の声が聞かれる。コメなど一部品目が関税の例外となるか、生産、流通、消費それぞれの立場から交渉の成否を見守る。

  県農協中央会は同夜から盛岡市大通2丁目の交差点で、安倍総理のTPP交渉参加に反対する緊急街頭キャンペーンを張った。

  滝沢村の農家武田修さん(66)は「聖域なき関税撤廃ではないというが、言葉の方便という気がしてならない。交渉に参加してしまえば、こちらの思う内容を獲得するのは無理なのでは。間違いなく農家の関税を守ったとしても、それ以外の分野の影響が農業にも波及する心配がある。表明した以上は後戻りできない。将来的な地場の農業を考えると不安。農地の荒廃にもつながりかねない」と不安を表す。

  紫波町の農家熊谷金悦さん(75)は「反対。コメ、野菜、肉など農畜産物についてどう取り扱われるか心配。参加し農家に悪影響が出ることについては諦めている」と不信をのぞかせた。

  いわて生協の菊池靖専務は「11日に生協として反対を決めた。条件を付けてといっても現実的には認められず、幻想を抱かないように運動していくことが大事。店頭では限定品目を付けるなら良いのではないかという感触もあり、危険ではないか」と反対した。

  県商工会議所連合会の元持勝利会長は「日米共同声明の中で、『聖域なき関税撤廃』を前提としないことが明らかになった。参加交渉は安倍政権が進める経済政策の中の民間投資を喚起する成長戦略の重要な一部であり、早期の交渉参加を期待している」と賛意を示した。その上で「地域経済や農林水産業への影響を克服するための対策を早期に具体化し、実行することが重要」と配慮を求めた。

  同市中ノ橋通1丁目のななっくの神雄司社長は「どんな具体的交渉になるか見通せないが、低価格の輸入品が入れば小売業界ではプラスのメリットも出る」とおおむね賛成した。

  同市開運橋通の山田酒店の山田隆専務は「関税を撤廃すると消費者に還元できる部分はあるが、酒に関してはメリットの部分はあまりない。食品は安い輸入品を買う人がいれば、食の安全を求める人も多いので、参加しても国産品がまったく売れなくなるとは考えにくい」と話した。

  肴町商店街に買い物に来た滝沢村の主婦の木村琳子さん(70)は「賛成。今の日本は物の値段が高い。メードインジャパンは強いのだからもっと外に出した方が良い。農業が駄目になるといっても、日本のリンゴはおいしく輸出できる。頭から駄目とか良いでなく、TPPで潤った会社が困っているところを助ける仕組みを考えれば良い」と話した。


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