盛岡タイムス Web News 2013年  6月 30日 (日)

       

■  東北の総意で北上山地へ ILC誘致へ県民集会

     
  国際リニアコライダー誘致に向けて県民決議を採択した集会  
  国際リニアコライダー誘致に向けて県民決議を採択した集会  

 県国際リニアコライダー推進協議会(元持勝利会長)は29日、盛岡市盛岡駅前北通のホテルメトロポリタン盛岡ニューウィングで県民集会を開いた。7月に国内候補地が決まる国際リニアコライダー(ILC)について物理学、天文学の研究者を招き、本県誘致の熱意を高めた。ILCは北上山地に巨大なトンネルを掘削し、加速器による実験で宇宙の起源を探る。素粒子物理学の世界的プロジェクトとして国を挙げた誘致を求めている。国内は本県と佐賀県が候補地となっている。県民集会では東北誘致に関する決議を挙げた。

 県民集会には約400人が参加。ドイツのマインツ大の齊藤武彦教授、国立天文台理論研究部の小久保英一郎教授を招いた。

  元持会長は「県民のILCに対する受け入れ機運は日増しに高まり、誘致の皆さんの願いに応えなければならない」とあいさつ。「東北に日本初の国際科学技術研究都市ができ、建設投資だけでなく、新たな産業創出や先端科学、技術産業の集積、国際交流など東北全体に大きな波及効果をもたらす。早期に着工すれば建設工事で発生する良質な花こう岩を大量に沿岸の盛り土に受け入れることができる」と期待した。

  来賓の達増知事は「北上山地がILCの適地と判断されたときは、東北での実現を国家プロジェクトとして推進するよう、政府への要望に全力を挙げる」と祝辞。

  齊藤教授は「国際教研究機関の現場から」と題して講演。「経済的効果があれば復興を加速する。世界的研究者が3千人ほどいるので国際化する。教育環境も大きく変わる。その中で良いことばかりではない。問題点は膨大な予算とその管理。利権や癒着が起きる可能性もある。どのように環境に配慮し、放射能に対する防護をしっかりやる」と述べた。

  「教育環境の発展にILCがどのように貢献する可能性があるか。科学教育も語学教育も強化される。その中で疑問に思うのは岩手県の子どもが科学者としてILCで研究する教育機会を本当に与えることができるか」と問題提起した。

  「ILCから同心円に100`の円を描くと、素粒子物理学がある一番近い大学は東北大学だが、100`圏を越えてしまう。沿岸からは遠い。久慈の生徒が理系の大学に進み、ILCの研究者になりたいと思っても、宮古、釜石、大船渡からも東北大学は遠い。やはり盛岡で理系の勉強をすることができれば、どんどんILCに人材を送り出すことができる。ILCで研究している学者からもさまざまなフィードバックがある」と述べた。「岩手県には理学部、素粒子物理学を勉強している大学がない」と地元の不足を挙げ、岩手大学の理系教育の充実と発展を求めた。

  小久保教授は「星くずから地球へ」と題して講演した。

  参加者の盛岡市の漆戸朗夫さんは「岩手大学でも加速器、県立大学ではプログラムを研究しているので、そこからILCへの研究を発展できるのではないか」と話した。


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