盛岡タイムス Web News 2013年  8月  6日 (火)

       

■  〈イタリアンチロル〉181 及川彩子 ピアノシティ・ミラノ


     
   
     

 おしゃれな街の通りに並ぶオープンカフェ、緑あふれる公園の芝生では日光浴、道行けばジェラートを頬張る人々…夏のミラノは、一番活気ある季節を迎えています。

  本格的観光シーズンに先駆け、先日「ピアノシティ・ミラノ」という催しが3日間にわたって開かれました。

  言わずと知れたミラノはオペラの街。世界中から一流のオペラ歌手が集まり、連日のように、演奏会が繰り広げられています。それに並び、ピアノ音楽分野も、より市民の理解、親しみを持ってもらおうと、昨年に引き続き2回目の開催となったのです。

  興味深いのは、企画者が、ドイツ・ベルリンのピアニスト、アンドレアス・ケルン氏。「音楽家は身近な聴衆が育てる」という氏のモットーを、ミラノ市が取り入れたのです。

  オペラ上演には、それなりの設備が必要ですが、今回は、教会、駅構内、地下鉄内、公園や個人宅など、ピアノがあればどこでもと、会場数は300カ所余り。

  ピアニストも、一流ピアニストから学生、子どもまで延べ数千人。形式もさまざまで、70歳以上を対象にしたコンクールなどもあり、入場料無料のお手軽コンサートに思わず立ち寄ってみたくなるような企画が目白押しでした。

  また弾き手ばかりでなく「自宅の応接間にピアニストを呼ぶのが夢だった」という往年のクラシックファンにも大好評と聞きました。

  そして、「ピアノシティ」の初日、私たち家族が出掛けたコンサートは、娘たちの友人で、ミラノ音楽院に通う10歳のリカルド君のモーツァルト・ピアノ協奏曲。若い芽に貴重な音楽体験を、とスポンサーが招聘(しょうへい)したルーマニアの名門オーケストラとの共演です〔写真〕。

  市の中心部にある公園内のエキシビションホールで、オーケストラとの熱演で、市民ファンを大いに喜ばせたリカルド君。

  ケルン氏の次の狙いは、秋のローマ。ピアノシティが、イタリアを駆け巡ります。


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