盛岡タイムス Web News 2013年  8月  15日 (木)

       

■  さようならけんじワールド 屋内プールのトップ目指して 18年間の営業にピリオド  沼崎支配人に聞く


     
  最後の営業に大勢の来客が入場するけんじワールド  
 
最後の営業に大勢の来客が入場するけんじワールド
 

 雫石町鶯宿のけんじワールドが25日で、18年間の営業にピリオドを打つ。1995年にホテル森の風に併設してオープン。県内最大の屋内プールを、県内外の多くの子どもたちが楽しんできた。施設の維持費がかさみ、所有する東日本ハウスが今年で閉鎖を決めた。最後の夏は名残を惜しむファンでにぎわう。プールを解体してフラワーガーデンに装いを変え、来年オープンする。けんじワールドの沼崎真吾支配人に、開業以来の思い出を聞いた。

  ―開業から18年間で閉鎖する思いは。

  沼崎 もともとこの施設が大型のテーマパークとして18年前オープンした当時は、全くの素人集団で運営してきた。山奥にこんな大きな施設と、オープン当初は相当、話題になった。運営は素人集団で、お客さまに教えてもらい、さまざま改善を重ねて今に至った。

  自分は96年から社員として勤め、当時の責任者も全く一緒で、オープン当初はすごい行列ができて、どういうオペレーションでうまく列がさばけるか、どこに物を置けばお客さんの動線がどうなるかと、人は今の10倍くらいいたが、大変だった。

  夏はプールの需要があるのは分かっていた。冬に岩手や盛岡雫石エリアで遊ぶ施設がなく、集客に施設が大いに役立つという構想があったが、冬に水着になってプールに入る習慣は、なかなかなかった。

     
  18年間の思い出を語る沼崎支配人  
 
18年間の思い出を語る沼崎支配人
 


  来場者の数を見て、冬は冬と痛感した。重油代が相当上がり、プールや温泉は油を相当使う。通年の平均した集客がなかなかできず、コストが下がらない状況が続いたので、期間営業に変えた。設備投資も相当かかる施設で、年数とともに館内が老朽化し、今後の運営について真剣に考えねばならない時期が何年か続いていた。

  ―プールの設計は非常に優れていた。

  沼崎 県内、東北にうちの10分の1の入場料のプールもたくさんある中で、ここに集まってくる魅力があると感じた。子どもは純粋なので、お金がかかるということより、自分が好きな、夢中になれるところがたくさん詰まっていたのだろう。

  うちは素晴らしいハードを作ってもらったのだから、ソフト面で同様にトップを目指さなければならないと思った。プールは監視員が監視台に座って見るのが常識的だが、座って足を組んで監視するようなことはさせなかった。滑り台を降りるときや、帰るときは、手を振って「いってらっしゃい」「お帰りなさい」と声を掛け、他のプールとは違う差別化に取り組んできた。

  ―子どものころ来ていた人が、大人になってまた来ることは。

  沼崎 もとはファミリー層が圧倒的に多かった。2007年に期間営業になってから、学生やカップルが相当増えた。昔の方がデートスポットや水着ショーなど若者、カップル向けの企画をさまざまな媒体を使って365日営業していたのだが、ファミリーにのみ目が行っていたのかもしれない。最近はカップルが多く、今はけんじワールド閉鎖へのツイートは若い世代が多い。大変な数が上がってきている。

  ―鶯宿温泉の地域には貢献してきたか。

  沼崎 最初は、よそ者が入ってきたという風当たりもあったが、われわれも高飛車な態度でやってきたわけではなく、鶯宿、雫石に夏に観光客を集める貢献は間違いなくあったと思う。なくなることになって、お客さまだけでなく、近隣の宿泊施設の方からも声をいただいている。現場の人間は、お客さまにもストレートで声をいただきながら、毎日営業している。今までにない思いを受けて、感謝している。

  ―フラワーガーデンはどのような施設に。

  沼崎 プールが終わったらすぐ工事に入る。今は高齢社会なので、併設している森の風を含めて、ファミリー層を相手にしていたが、中高年の人をメーンに営業展開していく。跡地を利用して何ができるか、何をすることでホテルのメリットが出るのかを考え、お花と庭の公園にして、来年夏の開業を予定している。


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