盛岡タイムス Web News 2013年  12月   6日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉178 草野悟 どうしてこんなにうまいのか


     
   
     

 とにかく、このうまさをどうやって伝えればいいか、と悩む毎日です。表現すれば「お・い・し・い」でしょうか。まったく表現力不足です。1粒口に含み、プチっと割りますと、潮風が口の中で甘い香りと一緒に充満します。次に2粒、同時に同じように割りますと、濃密なイクラの甘汁が舌の上にサラサラと流れます。もう面倒くさい、と次はご飯と一緒にスプーンですくってガブッと一気に押し込みます。イクラの粒は推定30個。こうなると感想など考えている暇はありません。

  イクラのしょうゆ漬けは、作る人の腕で微妙に異なります。下手な漬け方だと、ピンポン玉のようにだしを吸って固くなってしまいます。それが好き、と言う人もいますが、赤ちゃんのようなやわ肌仕上げが、なんと言っても最高なのです。

  今年、当初のサケ漁は不振でした。ここにきて昨年を大幅に上回る漁獲量になってきました。岩手のサケの品質は世界一、イクラは宇宙一なのです。沖で取ったサケは銀色に光り輝き、弾力のある体は、これ以上ない新鮮さを見せています。そこから取れるイクラですから、カスピ海のキャビアだって恐れをなして逃げ出して行きます。

  生のイクラを数粒、口に含むと「あ、これは普代沖の潮の味だな」「うん、この感じは宮古湾の塩っけだ」と、実に高名な料理評論家のように分析しますが、分かりっこありません。が、しかし、岩手の沿岸で取れたことは分かっていますから、もうそれだけで感動満載の味になってしまいます。でも漁獲量が少ないと値段も上がります。1`4000〜5000円が最近の価格です。震災前は、1`2500円の時もありました。大事な資源なのです。だから大事に食べます。2週間で500cがなくなってしまいました。「ごちそうさま」でした。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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