盛岡タイムス Web News 2013年  12月  24日 (火)

       

■  〈詩人のポスト〉 「白」蟹沢小陽子



今年の流行色は白
白いシュシュから
白いミュール
爪の色に至るまで
すべて白にするのがトレンド
男の女もなくて
気づけば少しずつ
ビルも道も
曇りのない白になっていた

白地に書いた白い文字が読めることが
最もカッコいいこととされた
本当は見えもしないのに
無理に話を合わせる人間が続出した
みんな、いつしか本当のことが分からなくなり
徐々に砂となりそろそろと消えた

白ばかりで、もともと何がどこにあったのかわからない
何時から白かったのか
そもそも白かったのか
自分の体すら見えぬほど白くなってしまった人々には知る術もない

見えない刃物で指を切っても、滲む血の色もすでに白くなってしまっていた
血の温度ですら白にまみれて、ただ音もなくただただ白いばかりだった


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