盛岡タイムス Web News 2014年  1月  10日 (金)

       

■  〈高齢者向けビジネス〉上 買い物難民、潜在需要 改造専用車が移動店舗 みかわや 楽しませる空間提供


     
  みかわやの移動店舗  
 
みかわやの移動店舗
 

 盛岡市でも高齢化が進展し、足腰が不自由な高齢者を中心に、買い物難民が増えている。その動きを踏まえて、市内の衣類店や小売り・サービス業などでは、宅配ビジネスへの参入が加速している。利用者は徐々に増えており、今後さらに増加する勢い。宅配エリアを広げる動きも出ている。まだ開始したばかりで手探り状態でもあるが、高齢者向け宅配ビジネスの潜在需要は大きい。今年も新たな参入組が増えそう。この1、2年に同ビジネスに新規参入した店舗や企業などを追った。

  盛岡市南大通の総合衣料販売店みかわや(齋藤恒夫社長)では2012年4月から、新規事業として全国的にも珍しい独自の移動店舗を開始した。2dの冷凍車のワイドバンの内外面を改装して移動店舗として活用。既存店まで来れない郊外の高齢者が入る施設などを対象に、移動して短時間の簡易店舗を開設、衣類販売を行っている。

  ワイドバンの横側ボディー全面が開閉できるタイプ。通常の店舗と同様に、衣類を展示できるようにレイアウトし、試着室なども設置する。天気の良い日は、車の前にテントなども出し、ゆったりと買い物をしてもらう。ワイドバンは、冬季前まで運行。今季から冬季間は、軽ワゴンを活用している。

  齋藤社長(56)は「店で買い物したいが、遠くて移動手段がなかったり、施設に入ったり、体があまり動かなかったりしているお年寄りは、高齢社会の中で確実に増加している。当店の顧客でも増えている。であれば、店で商品を選んで買うようなことができないかを考えた。それが車を活用した移動販売。まず動き出すことから」と話す。

  車の外部には店としてのイメージを出すため、店の名前、サイン、メッセージなどを描いた。齋藤社長は「商品を大量に積み販売するのでなく、あくまで買い物を楽しんでもらう店としての位置付け。見て楽しく元気になるようなイメージにしたかった。移動店が来るのを楽しみにしてくれるように」とデザインにもこだわった。

  移動店舗のワイドバンには、パンツや長袖などの下着、靴下からセーター、ブラウス、ジャージ、マフラーなど、約1千点を積む。エリアは、盛岡周辺地区が中心。事前に電話を受け、場所や時間、人数、見たい衣類などを聞く。

  齋藤社長は「1年目はPRなどに力を入れ、試験的に動いた。反応は少なかったが、2年目の13年は、前半だけで20ほどの施設から声が掛かった。春先が一番多く、春夏物の要望が高かった。その後、同じ施設から秋にも声が掛かった。秋、冬物を持っていった。まさにリピーター。ありがたい。年2回は声が掛かる」と手応えを感じている。

  移動販売では、販売やレジ係など3人のスタッフが同行。雨の日は、施設内にセットする。齋藤社長は「店を開ければ、楽しく買い物してくれている。目当ての品がないときは、『欲しいのがあるのだけど』と言われる。会社に電話し、あればすぐ届けることにしている」と言う。

  好きな色やサイズがなければ、探して届ける。齋藤社長は「それこそ当店とのつながりになる。当店がすべきことであり、大手と対極にある。困れば、助けるのが地場の店。まだスタート段階だが、確実に施設は増える。ノウハウもしっかり蓄積し、さらに広げたい」と移動店舗に期待を寄せる。

(大森不二夫)



本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします