盛岡タイムス Web News 2014年  1月  13日 (月)

       

■ 〈幸遊記〉157 照井顕 今田勝のアンダルシアの風

 ジャズ界一、明るく、よくスイングする品格のある音と曲を創り出すピアニスト・今田勝さん(81)。彼のヒット作「アンダルシアの風」は特にも最高。果たせなかったが俳優で歌手でもあった故・勝新太郎氏が歌にしようとさえした曲だった。

  そう、あれは80年代初頭、僕の店があった陸前高田市の隣町・宮城県気仙沼市のジャズ喫茶「珈琲館ガトー」のマスター故・吾妻博さんは大の今田勝ファンで、毎年彼を呼んでコンサートを開いていた。もちろん、僕も店のお客たちと連れ立って毎回聴きに行ったものだ。ベース奏者も毎年、古野光昭さんだったと記憶する。

  昨秋、横浜に現存する日本最古のジャズ喫茶の「ちぐさ賞」を受賞した、盛岡のジャズ歌手・金本麻里さん(34)が縁で、最近懐かしい今田さんの生音を聴くことができた。NHK横浜放送局での50分間の公開生放送ライブ。そして横浜ランドマークタワー・スタジオでのレコーディング・ライブ。そのどちらも歌は金本麻里。そのことはもう何度となく、マスコミが大きく取り上げ、今田さんも「表に出ればいい線いくと思います」と太鼓判。

  それはともかく今田さんのエンディングテーマ曲?「自由への賛歌」は、故・オスカー・ピーターソンの曲。今田さんは1953年JATP(ジャズ・アット・ザ・フィルハーモニック)の来日時、百万ドルのスターと言われたオスカー・ピーターソンのダイナミックで強力にスイングする彼のプレーに興奮し、胸が躍った。それが彼の原点となったらしい。

  以来、彼は、ハンク・ジョーンズ、ビル・エバンス、ハービー・ハンコック、チック・コリア等々の来日のたび、コンサート会場に早々と行っては、彼らのリハーサルをまるでアシスタント然として、間近でそのプレーを実況見分。そして研究したのは、鬼才と言われたピアニストのレニー・トリスターノの奏法だった。

  幼稚園で足踏みオルガンを覚え、小学校からピアノ。終戦の頃には「日本軽金属」でゼロ戦の部品作り。明治大学時代には米軍キャンプで演奏。卒業後プロの厳しさを知る。1980年発表以来、いまだに売れ続けているあの名曲「アンダルシアの風」に、今回作家の筒井康隆氏の弟・筒井之隆氏が作詞し、金本麻里の歌になった。2014年3月11日、LP&CD発売決定!
(カフェ・ジャズ開運橋ジョニー店主)

 



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