盛岡タイムス Web News 2014年  1月  17日 (金)

       

■  〈学友たちの手紙〉163 八重嶋勲顔の立つ様御尽力願上度候


■ 213罫紙 明治三十七年十二月一日付

宛 [第一]高等学校寄宿舎□ 野村長一様
発 [東京] 猪川浩 拝 十二月一日

拝啓御願に御座候間、金参円丈け二、三日中御拝借致度、尤も雑誌発送仕り候ハゞ、早速出来次第御返附可致候間、何卆御願申上候、御助被下候ハゞ有難仕合せに御座候、若し君に御持合せこれなく候ハゞ、近所にて御策金出来間敷候や、この金は必ず二、三日中ニ御請合ニテ御返附申すものに御座候間、小生の顔の立つ様御尽力願上度候、早[草]々
      師走朔日        
             猪川[浩]
    野村兄

 【解説】猪川浩は、盛岡中学明治36年次卒業、石川啄木と同級で、長一の1級下。長一の俳句仲間であり、「秋田俳句行脚」五人組の一人である。かなり親しい間柄。長一宛の手紙29通、はがき13通、計42通が残っている。7月30日付の猪川浩の手紙によれば「徒弟講学会」という雑誌を発行しようとしているらしい。この手紙ではいよいよ発行となるが、資金が足りず、3円をなんとか貸してもらいたい。長一に持ち合わせがなければ、誰かから借りてほしいと懇願している。長一は、友の窮状を見れば、何とかしてやりたいと思う性格であり、すぐ父長四郎に「金送れ」の電報を打つのである。父長四郎は、節約をやかましく言いながらも、何とか苦労して金策し長一に送金を続けたことが、残っている父長四郎の手紙にありありと書かれている。


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